重度知的障がい者の仲村さんの質問に、知事選候補者2人が答えた 「インクルーシブ教育をどう実現?」「定員内不合格者数の現状をどう思う?」


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仲村伊織さんのフェイスブックのカバー写真

 【中部】2018年度県立高校の一般入試で、県内で初めて重度知的障がい者として受験し、不合格となった仲村伊織さん(15)=北中城中卒=を支援する「仲村伊織さんの高校進学を実現する会」は29日、県知事選挙に立候補している佐喜真淳氏と玉城デニー氏に対し行ったインクルーシブ教育や定員内不合格を出している現状などに関する公開質問への回答を公開した。

 計4問から成る質問状は21日に両候補に提出し27日までに回答を得た。

 障がいの有無にかかわらず共に学ぶインクルーシブ教育について県でどのように実現していくかの質問に対し佐喜真氏は「学校現場や父兄の理解、特別支援教育の支援員の増員、専門性のある指導体制の確保などを段階的かつ着実に進めることが重要だ」と回答した。玉城氏は「障がいを理由とする差別などをなくしていく取り組みや、障がい者に対する教育などの実現に向けた取り組みを積極的に推進する」とした。

 他県に比べて高い県内高校の定員内不合格者数の現状について佐喜真氏は「各高校で指導が難しい生徒の受け入れ体制が十分でないことが背景にあるのだとすれば、環境を整えるよう検討することが大切だ」と考えを示した。玉城氏は「高校への入学意思がある子どもたちへ学ぶ機会を提供することは重要。その趣旨に反した定員内不合格者が出ないよう努めたい」と答えた。

 回答を受け伊織さんの母美和さん(50)は「障がいのある子の選択肢のない高校進学問題、定員に空きがあっても不合格にする定員内不合格は教育が子どもを切り捨てる行為」と指摘。「全国的にも高い県の定員内不合格の問題は、個人の問題でなく県全体の問題として捉えてほしい」と呼びかけた。

 回答の詳細は詳細は仲村伊織さんのフェイスブックで確認できる。

https://www.facebook.com/i.go.on.to.highschool