沖尚、沖水が大勝 ベスト4そろう 沖縄県高校野球秋季大会 準々決勝


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 高校野球の第68回県秋季大会第11日は2日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準々決勝2試合があり、沖縄尚学が11―1の六回コールドで第3シードの具志川商業を退け、2年連続22回目の4強入りを果たした。第2シードの沖縄水産は五回コールドの10―0で南風原を下し、2年連続21回目の4強に進んだ。準決勝は同球場で6日午前10時から嘉手納―興南、沖縄水産―沖縄尚学の対戦を行う。決勝進出を決めた2校は、来春甲子園球場で行う全国選抜大会出場の選考資料となる第143回九州地区野球大会(10月20~25日、熊本県)への出場権を獲得する。決勝は同球場で7日午後1時から開始予定。

◆2番・吉里 3安打4打点 沖尚、上位打線が活躍

沖縄尚学―具志川商業 6回2死二、三塁、左越えの2点適時打を放つ沖尚の吉里和己=2日午後、沖縄市のコザしんきんスタジアム(中川大祐撮影)

 沖縄尚学の2番打者・吉里和己が長短3安打の4打点を稼ぎ出し、上位打者としての役割を果たした。五回2死の守備では、右中間へボールを運んだ具志川商業のバッターランナーが一塁ベースを回り「走ってくる」ことを確認すると、中堅から矢のような送球で二塁で刺した。

 「自分で言うのも何だけど、あれは良かった」。ここまで12安打5打点と勝負強い吉里は、俊足を生かした2盗塁も見せて4強入りを引っ張った。

 初戦から1番吉里、2番高良魁の上位の出塁で試合を動かしたが、この日はもう一人、神里航平の活躍が光った。4回戦で初めて7番打者として先発出場し、準々決勝で1番に大抜てきされた。大役にも初打席でいきなり、インコースの真っすぐを芯に当て中前二塁打にした。

 犠打で三塁へ進んだその神里を4番の水谷留佳が中前打で本塁に返す。今大会は結果を求めすぎてスイングが「小さくなった」ことで出だしは不振だった主砲。「4番らしく大きく構えよう」と仕切り直し、復調傾向だ。次の沖縄水産戦では「好投手に振り負けない」と調整する。

 新人中央大会では一回で降板した仲村渠春悟が、秋季3度目の先発で六回を投げ、被安打6の1失点。投手力はまだ途上にあるとする比嘉公也監督だが、長いイニングを投げ切る力を付けた仲村渠や比嘉大智の成長に一定評価もする。

 昨年、春の甲子園を逃した九州大会出場を懸け、沖縄水産と準決勝でぶつかる。「力対力でいく」(比嘉監督)。威勢のいい古豪に対し「役割をきっちり果たせば結果はついてくる」(吉里)と強豪が気後れすることはない。
 (石井恭子)

<きのうの結果>

▽準々決勝
沖縄水産 10―0 南風原
 (五回コールド)

沖縄尚学 11―1具志川商
 (六回コールド)

<6日の試合>

▽準決勝
【しんきん】10時
嘉手納―興南
沖縄水産―沖縄尚学