玉城デニー氏に当選証書 復帰後8人目の沖縄県知事に就任


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当選証書を受け取り、笑顔の玉城デニー新知事=4日午前10時半ごろ、県庁

 県選挙管理委員会は4日午前10時半、県庁で県知事選当選証書付与式を開き、9月30日の第13回県知事選で39万6541票を獲得した玉城デニー氏(58)=本名・玉城康裕氏=に当山尚幸委員長が当選証書を手渡した。任期は2022年9月29日までの4年間。当選の効力の発生と同時に、玉城氏は1972年の日本復帰後8人目の県知事に就任した。8月8日に翁長雄志氏が知事在任中に死去して以降、県知事の欠けた状態が57日ぶりに解消し、玉城新県政の公務がスタートした。

 当選証書を付与した当山委員長は「前知事の逝去に伴い当初予定より日程が前倒しとなり台風24号の影響も受けたが、厳しい選挙戦を制して当選したことに敬意を表する。145万県民の付託に応えるべく活躍を期待する」と激励した。玉城氏は集まった報道陣に「県民の声を受け止めて日々精進して頑張っていく」と語り、晴れやかな笑顔を見せた。

初登庁した玉城デニー新知事=4日午前、那覇市の県庁

 当選証書付与式に臨むため、玉城氏は10時15分に県庁に初登庁した。新県政でも引き続き副知事を務める富川盛武、謝花喜一郎両副知事が県庁正面玄関前で玉城氏を出迎えた。県庁1階県民ホールには新知事の初登庁を見守ろうと大勢の県職員が集まり、スーツ姿の玉城氏が姿を見せると大きな拍手に包まれた。玉城氏は女性職員から記念の花束を贈られ、集まった職員や支持者に深々と一礼した。鳴り止まない拍手に手を振って応えながら、軽快な足取りで付与式の会場へと向かった。

 午前11時からは富川副知事から事務の引き継ぎを受け、午後1時45分に就任記者会見を開く。会見後の午後3時から県庁1階県民ホールで就任式があり、職員に訓示する。

 膵臓がんを患った翁長氏が1期目の任期を前に急逝し、当初は11月に予定していた県知事選が前倒しで実施されることになった。玉城氏は翁長氏の後継として立候補し、知事選過去最多得票で初当選した。

 県政の最大課題である米軍普天間飛行場の返還・移設問題では、玉城氏は名護市辺野古の新基地建設阻止の公約を翁長県政から受け継ぎ、埋め立て工事を進めようとする日米両政府に計画の見直しを訴えていく。【琉球新報電子版】