
興南のエース宮城大弥の気持ちの入った132球が、爆発力のある嘉手納を沈黙させた。16奪三振で散発の被安打4。我喜屋優監督は宮城の奮闘に「大黒柱としてチームを引っ張る責任がうかがえる」と納得の表情で語った。
一回表1死一、二塁の危機に、一塁手の金城英佑の「勘」がさえた。走者の動きを察知し宮城にサインを送り、素早いけん制で一走を刺した。嘉手納の打線爆発を防いだ好プレー。指揮官も金城も「あれで勢いを止められた」と語る好判断となった。
火消しに成功した宮城はギアを上げ始め、直球と変化球を織り交ぜてペースをつかむ。中盤は強気の直球で三振の山を積み上げていった。九回は2死一、三塁の危機を迎えるも、しっかり間を取った冷静な投球で、最後は見逃し三振で締めくくった。
夏の甲子園以降、投げ込んでスライダーのキレや制球力を磨いたという宮城。「今まで相手にのみ込まれることがあったので、ピンチの時こそギアを上げる」と、準決勝を含め29イニング無失点と崩れない強さも身に付けた。
昨年は決勝で沖尚に敗れた。その試合、宮城はけがで登板していない。「あの時自分が投げていればと思う。九州大会に出場するにしても優勝と準優勝は違う。有利な状況で九州に出て、春の選抜につなげたい」と強い気持ちがにじむ。
(嘉陽拓也)