真和志高 県勢初V 手話パフォーマンス甲子園


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歴史を伝える大切さを表現し、全国優勝に輝いた真和志高校手話部の生徒ら(提供)

 全国の高校生が手話を使った演劇やダンスなどを披露する第5回「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」(主催・手話パフォーマンス甲子園実行委員会)が7日、鳥取県で開かれ、県立真和志高校手話部が初の栄冠に輝いた。県勢の優勝は初めて。大会は全国の62チームから、予選を勝ち抜いた12都県の20チームが出場した。

 真和志高の13人は、HYの「時をこえ」に合わせて、沖縄戦をテーマにした手話の演劇とダンスを披露した。“おじぃとおばぁ”が学生に戦争体験を語る場面を取り入れ、エイサーの演舞と共に歴史を伝える大切さを描いた。

 平和学習や戦争体験者から聞いた話を基に、部員全員で意見を出し合い作品を作り上げてきたという。曲中の「誰かに伝えなきゃ 僕らが伝えなきゃ」の歌詞に、副部長の西江樹さん(17)は「『私たちが歴史を語り継ぐ』という強い思いを、手話に込めた」と話した。

 5回目の出場となる今回、同校は「伝える手話を大事にしたい」との部員の思いからテーマを選び、約4カ月前から毎日練習を重ねてきた。早朝や昼食時も仲間と集まり、表現に磨きを掛けてきたという。優勝の瞬間、全員が驚きと共に喜びの涙を流した。

 西江さんは「今日は百点満点の出来。演技後、メンバー全員が笑顔だったことが何より印象的」と話した。部長の山城将希さん(18)は「今後も手話の必要性を伝える活動を続けたい」とさらなる高みへ意欲を見せた。