農作物の台風被害拡大 沖縄、24号と25号で20億円


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
豪雨と強風で横倒しになったサトウキビ=4日、沖縄県宮古島市城辺

 JAおきなわ(沖縄県那覇市、大城勉理事長)は9日、台風24、25号の災害等対策本部会議を那覇市のJA会館で開き、沖縄県内の農畜産物や施設の被害状況について報告した。被害総額は19億6555万円に上り、24号単独の被害調査から約5億3千万円増加した。サトウキビは3万7544トンで8億1659万円、花卉(かき)は5億2661万円の被害があった。今後の状況では、被害はさらに拡大する恐れもある。

 農産物の被害は県内全域で確認された。畜産はトタンが飛ぶ施設被害などで2億1094万円、水稲も石垣市や名護市羽地などで1969万円の被害があった。

 長時間にわたる強風で、作物の樹勢や秀品率(品質)の低下が懸念される。停電が続いた南部地区のキクは、11~12月に出荷する花の茎が十分に伸びないまま花の芽が付く恐れがあり(花芽分化)、今後は品質への影響が心配される。

 JAは被害を受けた品目で植え替え用の苗や園芸資材の購入費用の助成を検討している。大城理事長は「生産者の経済的、精神的な負担を少しでも軽減し、再生産を後押ししたい」と述べた。