灘校教師が語る生徒が学び続ける姿勢の育み方


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 沖縄県私学教育振興会が主催する英語教員指導力向上対策研修会がこのほど那覇市内で開かれた。全国有数の進学校である灘中学・高校(神戸市)の英語科教諭木村達哉さんが講師の一人として登壇し、生徒が学び続ける姿勢を育む方法や学校が実績を出す方法について語った。発言を紹介する。

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木村 達哉氏

 北海道から沖縄まで、補習を大事にする学校が多い。生徒も教員も疲弊し、生徒は主体的に勉強しなくなり、疲弊した教師を見て憧れる気持ちも失う。やらされている限り成績は伸びない。教員を含め、学ぶためには自由を与えリラックスしなければならない。

 「自由を与えると怠ける」と管理したがる人もいる。やる気のない子は底まで落ちるのを待てばいい。教師は待つのが仕事だ。ただ1年生など初心者には最低限の単語や文法を教え、単語の追試くらいはやる。

 生徒に「この人は楽しい」「明日もこの人の授業を受けたい」と思わせ、生徒の様子を見て「どうしたん」「大丈夫? 期待してるよ」と声を掛ける。やる気のある子を一人でも多く作り、その子の力を伸ばすのがプロだ。そのためには何より教師自身が本を読み、むちゃくちゃ勉強しなければならない。自分は授業が本当に下手だったので3年間、落語の小屋に通ってしゃべりのスキルを上げた。あの手この手で授業のクオリティーを上げ、授業を成立させている。

 自分は東大に合格させる方法を知っている。東大が全てではないが、東大卒が増えると地域が変わる。自分は沖縄が大好きだ。自分の持っているものを役立ててほしい。

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木村 達哉氏(きむら・たつや)。灘中学・高校(兵庫県神戸市)の英語科教諭。1964年生まれ、奈良県出身。

◆28日、興南高で木村さん講演会

 琉球新報社は、兵庫県の進学校、灘中学・高校の英語科教諭、木村達哉さんを招いた講演会「入試に役立つ指導法と勉強法」を28日、那覇市の興南高校で開きます。県内の現役高校教諭らが作る任意団体「おきなわ学びのネットワーク」との共催で、高校教諭をはじめ関心ある方の参加を呼び掛けています。入場無料。

 「夢をかなえる英単語 ユメタン」シリーズなど著書も多数ある木村さんは、灘校の前に勤めた学校で偏差値50ほどの生徒たちを東大合格まで引き上げました。やる気はあるのに授業中に居眠りしてしまう生徒への対応は。生徒が憧れ学びたくなる教師になるには。実績を出す「プロの仕事」を語ってもらいます。

 講演会は午前10時~正午。駐車場に限りがあるため、できるだけ公共交通機関をご利用ください。

 申し込み、問い合わせは琉球新報NIE推進室(電話)098(851)5190、メールnie@ryukyushimpo.co.jp