キングス薄氷勝利 名古屋Dに88―87 Bリーグ第3戦


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琉球ゴールデンキングス―名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 第4Q ドライブから切り込み、パスを送る並里成=12日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは12日、沖縄市体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦し、最後まで激しい攻防を続け、88―87で競り勝った。今季ホーム開幕戦を飾り、リーグ開幕から3連勝とした。序盤はキングスが先にリズムをつかんでリードを広げたが、名古屋Dは強みの3点弾で追い上げる。ゾーン守備のキングスに対して、名古屋Dがインサイドアウトで仕掛ければ、キングスは並里成のボール回しから、ドライブやミドルで応戦。会場を熱くさせるアップテンポな展開となり、前半は45―41と一進一退の攻防が続いた。後半は受けに入って逆転されたが、橋本竜馬の3点弾や速攻などで抜き返す。それでも、名古屋Dはジャスティン・バーレルが奮起し食らいつく。第4Qも大接戦となつたが、1点差で勝利した。

▽Bリーグ1部(沖縄市体育館、3240人)
キングス(3勝)
 88-87(20―17,25―24,20―22,23―24)
名古屋D(2勝1敗)

 【評】キングスはゾーン守備を展開したが、名古屋Dの外角弾や外国人選手にインサイドから押されて終始、苦戦した。
 試合はスピードある名古屋Dの展開だった。その中で、攻撃では並里成のドライブからのアシストやジェフ・エアーズのミドルなどで応戦した。第2Qのリードされた場面では橋本竜馬が冷静なゲームメークも発揮して、最後は1点差で勝ち切った。

皆の声でブロック

 佐々宜央HC(キングス)の話 (1点リードして場面の)最後の名古屋Dのシュートは皆さんの声がブロックになった。まだ雑な内容で、その大味な部分が楽しんでもらえると思いますが、明日も声のブロックが必要なので声援お願いします。

非常に悔しい

 梶山信吾HC(名古屋D)の話 一言で言って非常に悔しい試合。最後はどちらが勝ってもおかしくないが、最後は守備の徹底が足りず、そこを決められてしまった。チーム全員でその「もう一歩」をできるようにしたい。

◆並里、好機つかみ決勝点

 今季のホーム開幕戦は力のある名古屋Dとの大接戦だった。残り6秒の88―87の場面、名古屋Dの外国人選手にシュートにいかれたが、キングスのブロックにファンの大声援も重なり、最後はリングがボールをはじいた。1点差勝利に沸き上がる大歓声。インタビューで並里成が開口一番「ただいま。緊張したけど皆さんの声が後押ししてくれた」と感謝を述べると、今日一番の拍手が送られた。

 試合のキーマンは並里だった。ゾーン守備を展開するキングスに対し、名古屋Dは得意の3点弾と個人能力の高い外国人選手のインサイドで強さを発揮。キングスは並里が素早くボールを回すと、ジェフ・エアーズがミドルを決める。速攻では相手を引きつけ、ジョシュ・スコットらの得点につなげた。

 第3Qは一時逆転されたが、橋本竜馬のゲームメークや須田侑太郎の速攻などもあって流れを取り返す。並里はメンバーの頼もしさに「あそこが勝利につながった時間帯。第3Qがあったからコートに戻った時に自分が行けた」と語った。

 並里は第4Q終盤、積極的にドライブで点を奪い、最後の勝負どころではフリースローの機会をつかんだ。1本目は外したが、2本目の決勝点は無心で放ち、成功させた。

 3年ぶりにキングスの選手として味わうホームでの勝利。「ただいま」の一言には、「今まで敵だったけど、もう一回味方としてあの声援がきけてうれしかった」との思いがあったという。13日の勝利に向け「今日はあまり内容はなかったので皆で修正していきたい」と気を引き締めた。
 (嘉陽拓也)

琉球ゴールデンキングス―名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 第3Q 激しいディフェンスでチームの流れを変えた橋本竜馬

◆冷静な試合運びで貢献 橋本

 強豪シーホース三河から移籍したベテランの橋本竜馬が、逆転を許した第3Qから登場し、その冷静なゲームメークと3点弾で流れを引き戻した。開幕前に「ピンチの時に出て流れを変えたい」と語っていた思いを、ホーム開幕戦の舞台で有言実行して見せた。

 それでも試合後の会見では「ばたばたした展開の中で落ち着いてインサイドの攻撃を交ぜ、時には自分で決めただけで、結果として良かった」と控えめだ。

 並里成がハッスルしていた分「成に助けられていたので、自分が助けたかった」という。

 両チーム80点台の試合に「守備ではなぜやられたか反省したい。攻撃面で佐々宜央HCの考えにはまだまだなので、明日はシュートを打つべきところで打って遂行力を発揮したい」と連勝へ力を込めた。