先達の金武魂を継承 あす、移民の父・當山久三生誕150年祭


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當山久三の銅像の前でポーズを決める金武町の仲間一町長(左)と企画課の仲間あずささん=同町

 【金武】金武町は14日、金武出身で沖縄移民の父と呼ばれる當山久三(1868~1910年)の生誕150年記念祭を開催する。町民による大規模パレードや顕彰式のほか、特設会場では地域の劇団による當山氏を描いた演劇なども上演する。町を挙げた一大イベントになる。

 當山久三は、1868年に金武間切並里(現金武町並里)に生まれた。27歳で並里総代に就任し、村の聖地を金武小学校新校舎建設用地として開墾するなど、近代化・合理化改革を推し進めた。

 99年に移民事業に着手し、同年12月には30人の県民をハワイに送り出した。その後も移民事業に精力的に取り組み、多くの県民が海外へと渡った。移民した県出身者からは、沖縄戦で壊滅的な被害に遭った古里を助けようと多くの寄付が沖縄に贈られ、復興の足掛かりをつくった。ハワイの県系人は豚550頭を沖縄に届けており、沖縄の食文化を守ったとされている。

 仲間一町長は「戦後の沖縄復興の背景には移民の皆さんからの支援があった。當山久三がその礎をつくったとも言える」と紹介。「先見の明を持って挑戦し続けた當山氏の不撓(ふとう)不屈の精神と進取の気性を、金武魂として次世代に伝えていく祭りにしたい」と意気込んだ。

 記念祭は金武地区公園・町立中央公民館を主会場に町中で各種催しが開かれる(午前10時~午後8時50分)。パレードは午後5時から。宮沢和史さんらによるスペシャルライブもある。金武漁港の臨時駐車場からまつり会場までの無料送迎バスも運行する(午後1時~9時半)問い合わせは町総務課(電話)098(968)2111。