国交省が沖縄県に意見書提出を要求 米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う新基地建設


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
県に執行停止に関する意見書を提出したあと、記者団の質問に答える国土交通省の川田健太郎法務調査官=18日午前、県庁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、沖縄防衛局が県の埋め立て承認撤回の取り消しと執行停止を国土交通相に申し立てた件で、国交省の担当者らが18日午前、県庁を訪れ、執行停止に対する意見書を25日までに提出するよう県に求めた。防衛局から提出された申し立てに関する資料一式を提出した。

 国交省水政課の川田健太郎法務調査官は取材に「執行停止に関して県の意見を聴取するということで国交相から依頼した」と述べた。資料を受け取った永山正海岸防災課長は「今後、辺野古新基地建設問題対策課などと調整し、対応を検討する」と話した。

 2015年に県が埋め立て承認を取り消した際、国交相は沖縄防衛局の申し立てた執行停止を認めて辺野古の工事が再開された。同じ政府内で執行停止を申し立てて認めるという手法は裁判所や行政法学者らから批判された。

 15年と同様に国交相が沖縄防衛局の申し立てを認める可能性が高く、その場合、数週間以内に工事が再開される見通しだ。県は今後、防衛局の主張内容を精査し、国と地方自治体の争いを処理する「国地方係争処理委員会」への申し立てや裁判所への訴訟提起など、対抗策を検討する。【琉球新報電子版】