教員4割 残業60時間超 保護者から「多忙解消を」 那覇JC調査


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 那覇青年会議所は8~9月、那覇市内の全小中学校の教職員と保護者にアンケートを配布し、回答をまとめた。回答した教職員の4割以上が月60時間以上の時間外労働をしていた一方、保護者の約8割は子どもの学校に「満足している」と答えた。自由記述に「先生の多忙化を解消してほしい」と書く保護者も多く、同会議所は「学校、親、地域の三者で改善を図る方法を探りたい」と話している。

 那覇青年会議所はこれまで子どもキャンプやスピーチコンテストなど教育事業を実施してきた。本年度は初めて教育現場をテーマに選び、アンケートを行った。回答を呼び掛けるチラシをPTAを通して配布し、保護者540人、教職員130人がインターネット上で回答した。

 教職員の回答では、負担に感じる業務として「保護者対応」「部活指導」がそれぞれ5割を超えた。保護者対応の負担の内容は「学校の役割と、保護者が学校に求めるものに差がある」、部活指導の負担は「土日祝日対応」がそれぞれ7割を超えて最多だった。

 保護者は「学校の取り組みで満足している項目」として「先生たちの熱心さ」を挙げた人が全体の約3割に上った。満足していない項目は「学ぶ意欲を高める」「将来の進路や職業について考えさせる」が上位を占めた。同会議所では「先生は熱心だが部活指導やキャリア教育までする時間がない。地域や企業にできることがあるのでは」と分析している。

◇あすフォーラム開催

 那覇青年会議所はアンケート結果を報告し、学校、PTA、地域のパネリストらが教員の多忙化解消へできることを考える「那覇教育フォーラム」を20日午後1時から国立劇場おきなわで開く。同会議所・社会問題解決委員会の山城伸也委員長らが17日、那覇市の琉球新報社を訪れ、市内外からの参加を呼び掛けた。入場無料。問い合わせは山城委員長(電話)090(6862)4325。