精神科病院で患者の手足をベッドにくくりつける「身体拘束」が行われている医療の現状を問う「日本の精神科医療を考えるシンポジウム」が27日午前10時から、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学で開かれる。会場では精神疾患のある当事者が自らの体験を描いた漫画も配布。主催者は「現実を知り、拘束される側の気持ちを考えてほしい」と話している。
「精神科医療の身体拘束を考える会」代表で杏林大の長谷川利夫教授と、オリブ山病院の横田泉副院長が基調講演する。「安心できる精神科医療サービス実現に向けて」をテーマにしたシンポジウムでは、精神障がいの当事者もパネリストとして登壇する。
実行委員会事務局を務める宜野湾市地域活動支援センター「はぴわん」の兼浜克弥施設長(46)は、「精神科医療が身近に必要になっている。今の医療サービスでいいのか、考えるきっかけにしてほしい」と来場を呼び掛ける。
はぴわんの利用者でピアサポーターのなかむらなつみさん(34)は、中学時代から漫画を描き始め、自らの体験や感じたことなどを表現してきた。これまでに描き上げた作品は10点以上になる。
当日は、なかむらさんが精神科病院に入院した際に身体拘束された経験を描いた漫画「拘束」を資料として配る。なかむらさんは「自分の経験をお裾分けする気持ち。少しでも分かってもらえたらうれしい」と話す。当事者や家族、学生は無料で、一般参加は千円。問い合わせは、はぴわん(電話)098(988)8151。