渡久地、塚本がV 伊平屋ムーンライトマラソン


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 【伊平屋】第24回伊平屋ムーンライトマラソン(主催・同実行委員会、共催・琉球新報社)は20日、沖縄県伊平屋村の友愛と健康の広場を発着点に開かれ、フルマラソン(42・195キロ)男子は渡久地政海(本部町)が2時間44分13秒で初優勝した。同女子は塚本恭子(多良間村)が3時間22分23秒で制した。ハーフマラソン(21・0975キロ)男子は村上勇三(愛知)が1時間20分37秒、女子は山本茜(京都)が1時間50分37秒で優勝した。

◇独走でフル初の栄冠 渡久地

ゴール目前でガッツポーズを決める渡久地政海=20日、伊平屋村友愛と健康の広場

 序盤から一人旅で流れを握った渡久地政海が、昨年覇者の大山翼を抑えて初出場で優勝した。フルマラソン優勝は初。「もし他の選手と競っていれば、30キロから勝負を仕掛け、突き放すつもりでいた」。優勝へ強い執念を見せた渡久地は他の追随を許さず、2位に1分45秒差で制した。

 フルマラソンのシーズンを前に、調整と位置付けた今大会。15キロ、40キロ付近の坂道に苦しんだものの、序盤から独走だった。「フルで序盤から独走するのは初めての経験だった」。1キロ4分のペースを保ち、冷静にレースを展開した。

 後方では2位の大山と3位の角田智史が追った。約30キロ地点で後ろの大山の顔に疲れの色を見て取ったとき、優勝を確信した。あとは自分との闘いだった。「30キロで体に疲れを感じ、きつかった」と振り返る。「向かい風で前傾」「苦しいときのしっかりとした腕振り」など、基本動作の徹底でペースを保った。

 自己ベストの2時間27分には及ばなかったが「今大会の優勝は自信となった」と強調する。「この勢いで、年末のNAHAマラソンで優勝したい」と次なる目標を見定めた。(友寄開)

◇「狙ってた」と満足 初出場・塚本、多良間もPR

塚本 恭子

 初出場でフルマラソン女子を制した塚本恭子(42)=多良間村=は、「狙っていました。自分のペースを守ったことが結果につながった」と満足げだった。

 序盤は2位につけ、15キロ付近からトップに出た。予想以上のアップダウンに苦しんだが、「ペースを崩さなければ大丈夫。体は動いている」と自らに言い聞かせた。40キロ付近になると左ももがけいれんし始めたものの、逃げ切った。

 県内でもこれまで上位に食い込む。2時間52分が自己ベストだ。東京都出身で、昨年3月から多良間村で「地域おこし協力隊」として暮らす。多良間を宣伝するシャツで走り「多良間をPRできた」と笑った。