沖水、1回戦敗退 秋季九州高校野球 長崎商に4―8


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 来春の選抜高校野球大会の出場校選考で重要な資料となる秋季九州大会(第143回九州大会)は20日、熊本県のリブワーク藤崎台球場などで1回戦が行われ、県代表の沖縄水産(沖縄1位)は長崎商業(長崎2位)と対戦し、4―8で敗れて初戦敗退した。興南(沖縄2位)は21日午前10時半から、熊本県営八代野球場で熊本国府(熊本1位)と戦う。

◇崩れたダブルエース 「古豪復活」夏へ持ち越し

沖縄水産―長崎商業 2回途中に國吉吹(右)にマウンドを譲る沖縄水産の上原一帆=20日、熊本県のリブワーク藤崎台球場(屋嘉部長将撮影)

 上原一帆と國吉吹の左右ダブルエースを中心とした堅守で、県大会6試合を2失点で勝ち上がった沖縄水産が、長崎商業打線に二回に一挙5点を奪われて4―8で敗れ、九州初戦で姿を消した。上原忠監督は「二回(の相手の攻撃)が大きかった。まだ力不足です」と言葉少なだった。

 先発の上原は体の軸がぶれ、高めにボールが浮いた。初の九州の雰囲気に「硬くなってしまい修正できなかった」。二回の長崎商業の攻撃で、この夏の長崎大会で主力だった3選手が並んだ下位打線に連打を浴びた。2ランスクイズなどの打者一巡の攻撃で5点を失う。六回からの予定だった國吉も二回途中から急きょ登板したが、「焦って力で抑えようとしてしまった」と腕だけで投げ、制球も乱れて追加点を許した。

 打線は相手エースの桝屋を打ち崩せなかった。11四死球と安打で好機をつかむと、警戒していたシュートと低めの球に手が出てしまい、4得点を挙げても13残塁と打線が続かなかった。チームで唯一、2安打の川端琉一朗は「甘い球を仕留めることができなかった」と悔しがった。

 「沖水」復活の新たな歴史をつくろうと臨んだ九州大会だったが、まさかの初戦敗退に泣いたチーム。それでもダブルエースの上原と國吉は「きょうの負けをしっかり生かせるようにしたい」とそれぞれの課題や、チームの課題を明確にし、集大成の来年の夏へ向かう。(屋嘉部長将)