来春の全国選抜高校野球大会の出場校選考で重要な資料となる秋季九州大会(第143回九州大会)は22日、熊本県のリブワーク藤崎台などで準々決勝4試合を行い、県代表の興南(沖縄2位)は筑陽学園(福岡1位)に延長十三回タイブレークの末に0―1で敗れ、選抜出場の目安となる4強入りを逃した。
準決勝には筑陽学園以外に明豊、大分の大分勢と日章学園(宮崎)が進んだ。23日の休養日を挟み、24日に明豊―日章学園、大分―筑陽学園の2試合が行われる。
◆延長タイブレーク、力尽きる
両校合わせて8安打。手に汗を握る投手戦となった興南―筑陽学園(福岡)戦はゼロ行進の末に、延長十三回タイブレークで勝敗が決した。ピンチをつぶし、好機もつくり、勝機はあったものの、あと一打が出ずにサヨナラ負けした興南。来春の選抜大会の目安になる4強を逃し、我喜屋優監督は「チャンスはどちらにもあったが細かく(走者を)進める打撃ができなかった。もったいないゲームだった」と唇をかんだ。
先発した宮城大弥は直球に強い筑陽打線に変化球主体の投球で三振とゴロの山を築いていく。対して打線は相手先発の西舘対策をしていたが「速いイメージがあったが緩い球に打たされていた」(我喜屋監督)と角度のある直球とスライダーの前に凡打が続いた。
疲れの見える宮城は終盤につかまり始めたが、苦しみながらも黙々と打者を打ち取り、味方の援護を待った。
興南にとって公式戦初のタイブレークは先に好機をつかんだ。しかし無死満塁から遠矢大雅の中堅へ抜けそうな当たりを遊撃手の好守に阻まれるなど得点ならず。その裏に、同様に無死満塁のピンチを招くと、内野ゴロをさばいた一塁手・金城英佑の本塁への送球がそれ、三走が生還した。
好投手を前に単打3本に抑えられ、外野に飛んだのは5回だけ。攻撃だけでなく、大事なところでの守備のミスなど課題も見えた。
悔しさから立ち上がれなかった捕手の遠矢は「宮城は頑張ってくれたが野手の力のなさ。(相手との)小さな差が最後は大きな差となった」と振り返る。
チームをまとめる金城は最後の失策に主将の責任を感じながらも「この負けを絶対に忘れず、どう生かすかだ。もう九州では絶対に負けない」と前を向く。
ナインは悔しさを糧に冬を乗り越え、集大成の来年へ挑む。
(屋嘉部長将)