【中城】中城村出身で、JICAの青年海外協力隊員として中米ジャマイカで防災・災害対策に当たる仲村秀一朗さん(31)が企画した防災展がこのほど、同国ポートランド教区の最大都市・ポートアントニオで開かれた。防災関係者や一般の人ら約70人が参加し、防災時の連携強化の重要性を学んだ。
津波やハリケーンなどに関する資料を展示したり、講話をしたりして、災害に対する住民の意識を高めることが狙い。このような防災展は同市で初という。
場所の手配から物品の用意、国会議員の招待に至るまで、約2カ月かけて仲村さんが一人で全て準備した。JICAがジャマイカの政府機関に提供した展示機材を使って実施した。
仲村さんは講話で「自然災害に対して地域社会が一丸となって対策に取り組むことで被害を軽減できる」と官民を超えて連携することの大切さを呼び掛けた。
仲村さんは嘉手納飛行場内で消防士兼救急隊員として2017年9月まで8年間勤務していた。ジャマイカには今年1月に派遣され、市役所に相当するポートランド教区事務所防災課に勤務している。任期は2年間。今後は国連勤務を視野に入れる。
防災展を終え、仲村さんは「ジャマイカのような発展途上国は、災害に強いインフラ整備などハード面に資金を投入できない分、防災計画や避難計画などのソフト面を充実させることが大切だ」と意義を語る。
この防災展で、防災や教育など各分野の出席者が顔をそろえたことで波及効果も生んでいる。10月には同教区第2の都市・バフベイでも開催。そのほか11月5日の「世界津波の日」に合わせて全国会議の開催地としてポートアントニオが選定されるという。
(長濱良起通信員)