羽地漁協、差し押さえ 県内初 負債1億6000万、口座凍結


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羽地漁協の事務所

 【北部】羽地漁協(沖縄県名護市)が複数の金融機関に持つ5口座のうち4口座が差し押さえられ、凍結されていることが24日、分かった。羽地漁協の組合長によると、埼玉県の養殖関連企業に対する負債約1億6千万円の返済が滞ったため、企業側が口座の差し押さえ手続きを取ったという。漁協の業務ができなくなる可能性も出てきている。羽地漁協は元副組合長やその長男による補助金の不正受給疑惑も浮上しており、漁業者など組合員や関係者に不安が広がっている。県によると、差し押さえで漁協の口座が凍結されたのは県内で初めてという。

 養殖業を展開する羽地漁協は、養殖魚の餌を埼玉県内の企業から仕入れていた。

 関係者によると、2003年ごろから養殖業が立ち行かず餌代の支払いもできなくなったという。07年には負債額が約9700万円に上り、企業側が債務返済を求めて那覇地方裁判所名護支部に提訴した。那覇地裁名護支部は債務と利息金(年6%)の支払いを命じた。

 羽地漁協は債務と利息を返済できないまま18年6月末時点で負債が約1億6千万円までに膨らんだ。

 9月28日、両者で返済方法について協議したが折り合いはつかなかった。企業側が24日までに裁判所に差し押さえを申し立てた。

 組合長は「漁業への影響は少ない」としたが、差し押さえで漁協職員の給与や事務所維持費が支払えなくなるなど業務への影響が出てくる可能性がある。