教育長人事「専決」で 与那国町議会 議長選出難航 与党、町長に提示


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県内外から多くのメディアが取材に訪れた与那国町議会。24日の議長選を打ち切るかどうかを巡り、一時紛糾した=24日、与那国町

 【与那国】沖縄県の与那国町議会の議長選出が難航している件で、町議会与党は25日、議長職の受諾を求めた外間守吉町長に対し、町教育長人事の「専決処分」を受諾の条件として提示していることを明らかにした。外間町長は報道陣に「専決処分に向けた手続きをしたいと考えている」と、与党の条件に応じる考えを示した。

 専決処分は本来、町議会が議決する事項を町長が代わりに処理すること。教育長については、前教育長が退任した2017年6月から不在が続いている。与党によると、24日夜に外間町長や与党議員らが議長選出について協議を実施。改選前の議会で教育長として3回提案され、いずれも野党の反対で否決された男性を専決処分で教育長にするよう求めた。協議にはこの男性も出席していたという。

 外間町長は報道陣に「教育長人事が事態収束に向けてのネックになっている」との認識を示し、専決処分の要件を満たすかについて県に照会しているとした。問題がないと判断した場合は、週明けにも専決処分する方針。

 一方で、12日に補正予算を専決処分した際に「人事案件を専決処分する考えはない」としていたこととの整合性を問われると、「収束を図るために『伝家の宝刀』を抜いてくれと言われているのでやらざるを得ない。一番の解決策だと理解してほしい」と釈明した。

 教育長の専決処分について野党議員は「じかに聞いていないので何とも言えない」と述べるにとどめた。