ナビィータ快勝発進 神戸レオンチーナに2―0 プレナスCL入替戦予選


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ヴィクサーレ沖縄FCナビィータ―INAC神戸レオンチーナ 前半、敵に切り込みボールを奪うヴィトリア(右)=26日、静岡県の時之栖スポーツセンターうさぎ島グラウンド(ジャン松元撮影)

 【静岡県で池田哲平】女子サッカーのなでしこリーグ3部に相当するチャレンジリーグへの参入を懸ける「2018プレナスチャレンジリーグ入替戦予選大会」が26日、静岡県の時之栖スポーツセンターで開幕した。同日は各チームリーグの第1試合を行い、ヴィクサーレ沖縄FCナビィータはINAC神戸レオンチーナに2―0で快勝した。昨年の同大会では逆転負けしており、雪辱を果たした。ナビィータは前半、苦しい展開が続いたが、壷井綾子を中心とした守備でゴールを許さず、0―0で折り返した。後半、玉城薪瀬を投入すると、シルバ・デ・アルメイダ・ヴィトリアが前線でためをつくり、玉城が右サイドから相手を切り崩して優位に試合を進めた。後半12分、玉城がゴール前まで持ち込み、相手との混戦でこぼれたところを、立津雅沙絵がミドルシュートを放ち先制した。後半24分にはコーナーキックからヴィトリアが反応し、追加点を上げた。ナビィータは27日の第2戦でレノファ山口レディース、28日の第3戦で群馬FCホワイトスターと対戦する。

後半、敵のマークをかわしながらドリブルするヴィクサーレ沖縄FCナビィータの玉城薪瀬(中央)

◆前半の無失点大きい

 ヴィクサーレ沖縄FCナビィータの與座周平監督の話 相手の背番号13番が力を持っていると分かっていたので、11人でどう抑えるのかを考えた。前半失点しなかったことが大きい。後半になって気温も上がり、動けてきた。次戦も勝たないといけないことに変わりはない。準備してきたことをピッチ上で出し、最後まで諦めない試合をしたい。

◆前半耐え後半爆発 昨年の雪辱果たす

 後半12分、ここまでの苦しい展開を拭い去ったのは立津雅沙絵の強烈なミドルシュートだった。「ボールがこぼれてきたら、迷わず狙うと決めていた」(立津)というシュートがゴール右上隅に突き刺さった。この先制点で、その後はナビィータが主導権を完全に握った。後半24分には果敢な攻めから得たコーナーキックを180センチの長身FWシルバ・デ・アルメイダ・ヴィトリアが頭で冷静に合わせ勝負を決めた。

 前半、ナビィータは動きに精彩を欠き、堅さがあった。試合前、與座周平監督が初戦のキーマンとして挙げていたヴィトリアにボールを集めるも、相手に囲まれ、ボールをつなげなかった。逆にINACはDF原海七が左サイドで起点となり、ナビィータは守備の裏へパスを何度も通され、前半中盤からはピンチの連続だった。

 後半、フォーメーションを3トップから2トップに変え、玉城薪瀬をFWに投入した。「怖がらずにどんどん前にチャレンジする」ことを心掛けていた玉城はヴィトリアの近くで、ボールを受け、前線への突破を果敢に挑んだ。玉城の仕掛けから立津の先制点が生まれた。

 前半苦しめられたINACの原に対しても、ボールを持った瞬間から厳しい守備を掛け、後半は自由にプレーをさせなかった。與座監督は「前半に失点しなかったことが良かった。INACに昨年負けて、今年は初戦で当たることもあって、全部ぶつけるつもりできた」と振り返った。

 フォーメーションを変えたベンチワークと苦しい展開でも失点を防いだ堅守、果敢な攻撃がかみ合った総合力で、強敵から価値ある初戦の勝利だった。
 (池田哲平)