歩いて乳がん予防 看護師・儀間ゆかりさん、ウオーキングを指導


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東京から講師を招きウオーキングを見せる儀間ゆかりさん(右)と講師の新保奏秀さん=那覇市西の県男女共同参画センターてぃるる

 【浦添・那覇】ピンクリボン運動を応援し、乳がんの予防や早期発見のセルフチェックを啓発している看護師がいる。ツアーナース(添乗看護師)、美呼吸ウオーキングインストラクターとしても活動する儀間ゆかりさん(47)だ。沖縄県内のイベントに個人でブースを構え、乳がんに関する基礎知識などを伝えている。「自分の体に注目してほしい。自分自身で体を整えることは自分を癒やすこと。できる時に、できることを、できる範囲で」と呼び掛けている。

 儀間さんが看護師を目指したのは、病弱だった母親の面倒を見たことがきっかけだ。しかし、高校2年の時に母親が他界。悲しみの中で、看護師になることの意味も失ったという。葬儀に訪れた人から「看護師になるんでしょう。お母さんが話していたよ」と聞かされたその母親の言葉に背中を押され、看護師として県内の病院で24年間勤務した。

 30代前半までの儀間さんは姿勢が悪く、常に体に痛みを抱えながら仕事をしていたという。ある日、習い事の一つとしてレッスンを受けたのが美呼吸ウオーキングだ。体の痛みも解消される効果を実感、インストラクターの資格を取得した。

 36歳の時、母に続いて兄も亡くした。ウオーキングが心の支えになった。乳がんなどの発症リスクをウオーキングが低下させ、予防効果もあるというデータを知った儀間さん。健康と予防が線でつながる瞬間を実感した。

 5年前にも父とめいを亡くした。家族を失う悲しみを誰よりも感じている儀間さんは、「あなたが亡くなったら家族は寂しい思いをします。健康は家族のためでもあるのですよ」と語り掛けている。

 儀間さんは、浦添市で女性限定や親子のウオーキングレッスンを開催。企業研修などでも啓発活動をしていきたいと意欲を燃やしている。問い合わせは儀間さんのHPから申し込める。ahuahuyukari.okinawa
(中川廣江通信員)