「LGBT生きやすく」 浦西中2年生、ポスターで理解呼び掛け


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ポスターを作成した生徒たちと竹内清文さん(2列目左端)=29日、浦添市立浦西中学校

 一人一人の個性を受け入れられる環境を学校のみんなでつくりたい―。LGBT(性的マイノリティー)への理解を深めようとする動きが、中学生にも広がっている。沖縄県浦添市立浦西中学校(名護清和校長)の女子バスケットボール部2年生11人は、LGBT当事者を含め、誰もが過ごしやすい学校づくりを提案するポスター8枚を作製した。ポスターは11月25日に同校で開かれる第5回バリアフリーオリンピック(同実行委主催)で掲示する。障がい者や高齢者の支援のイメージがある“バリアフリー”だが、「誰もが生きやすい環境をつくりたい」との思いを込めた。

 浦西中学校では8月、LGBTについて、当事者の竹内清文さん(41)=豊見城市=による男子生徒向けの講演があった。講演は聞けなかったが、竹内さんと交流した名嘉りおなさん(14)、平良千音さん(14)、平良凛花さん(14)、棚原りょうさん(13)、仲村渠琴音さん(14)の5人もLGBTに興味を持つようになったという。5人は9月にあったLGBTイベント「ピンクドット沖縄」に足を運び、竹内さんと再会。その際、竹内さんからポスター作りを勧められた。

 ポスターではレインボーフラッグの意味や性の多様性を尊重する浦添市の取り組み、LGBTとは何かをカラフルなペンを使い、表や図で分かりやすく模造紙にまとめた。学校生活でも、当事者のトイレや制服の問題などの解決案を提示した。生徒たちは「LGBTの人は周りにたくさんいる。自分は関係ないと目をそらさずに一度は学ぶべきだ」「LGBTだからと差別せずに、みんなと仲良くしたい」などの思いをポスターに込めた。ポスターを見た竹内さんは「子ども目線で親しみやすく、工夫して作ってくれた。大成功」と笑顔で話した。生徒をサポートした池原千香子養護教諭(54)は「柔軟性のある時期にLGBTを学ぶいい機会になった。男女の区別にこだわるよりも、個性を認められる人に成長してほしい」と話した。

 生徒たちはバリアフリーオリンピックの後も、公共施設などに掲示できないか検討している。(関口琴乃)