LGBTどう伝える? 「人と違って大丈夫」 竹内さん 小中高校で講演活動


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性の多様性を知ってもらおうと、沖縄県内の学校で講演活動を続ける竹内清文さん=那覇市泉崎の琉球新報社

 自分らしさを大切にする心を育もうと、LGBTなど性的マイノリティーに関する講演活動を行う団体「レインボーハートプロジェクトokinawa」。代表でゲイの竹内清文さん(41)=岡山県出身、豊見城市=は自身の体験を踏まえ、講演や会員制交流サイト(SNS)で子どもたちに語り掛ける。「性は一人一人違う。周りと違って大丈夫だよ」

 同団体は2017年4月、沖縄県内の養護教諭らが中心となって立ち上げた。代表の竹内さんは今年10月までに、県内の小中高校延べ67校で性の多様性について講演。本年度は教職員向けの講演も増え、「関心の高まりを感じる」と言う。

 昨年、三重県で高校2年の性的マイノリティーを対象に実施された調査では、回答者の約3割に自傷行為の経験があった。岡山県での15~16年の調査では、約9割が「先生に相談しなかった、したくなかった」と回答するなど、悩みを抱え込んで苦しんでいる当事者は多い。竹内さん自身、在校中はゲイであることを「笑われたら嫌。バレないよう、ひた隠しにしていた」。誰かに相談しようとも思わなかった。講演では家族へのカミングアウトや失恋など、自身の体験を率直に語っている。講演後、保健室で1時間以上、生徒から相談を受けることもある。

 親との関係や制服問題など、ツイッターを通じての相談もある。今年5月は中高生から11件寄せられた。昨年10月に約600人だった竹内さんのツイッターのフォロワーは、1年で約3400人に増えた。中高生がリツイート(転載)し、どんどん広がっている。

 子どもたちから「同じ立場の人に相談できて良かった」などと信頼される竹内さん。「不安だった子が一人でも安心してくれたらうれしい。『大人は分かってくれている』と希望を持たせてあげたい」と話し、学校現場を飛び回る。

 (真崎裕史)