小禄ボウリング閉館へ 復帰直前開館、老朽化進む


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本復帰直前の1972年5月5日に開館し、長い間県内のボウリング愛好家たちに親しまれてきた小禄ボウリング(那覇市鏡原町)が、2019年2月末で閉館する。建物の老朽化が進み補修が必要な箇所が多数あることや、現行の耐震基準を満たしていないことを理由に今年6月、閉館を決めた。長年通っている利用者からは「さみしい。閉館しないでほしい」などの声が上がっている。

 小禄ボウリングは、県内で3番目に古いボウリング場。上原健二支配人によると、25年ほど前にオートスコアラー(自動採点機)を導入した頃、利用者が大幅に増加。平日で2時間、休日で3~4時間待ちの来場客が出るほどの人気を博した。現在は最長で午前1時までの営業だが、当時は午前3~4時まで営業していた時期もあった。

 建物の耐震性不足については、取り壊さず補修で対応も検討したが、費用がかさむことなどから断念、閉館に踏み切った。

 現在、同ボウリング場では主催するリーグ戦が行われており、多くの愛好家が参戦している。来年2月末に全てのリーグ戦が終了し、この日が営業最終日となる。4月には建物の取り壊しが始まる予定だ。

 30年以上小禄ボウリングに通っている宮城馨さん(62)=那覇市=は「最初聞いたときはショックだった。今でも閉館しないでほしいと思っている。体の一部がなくなる感覚だ」と述べ、閉館を惜しんだ。上原支配人は「何十年も利用してきた人たちには、別の場所でもボウリングを続けてほしい」と話した。
(砂川博範)

1972年の開館当時の小禄ボウリング(小禄ボウリング提供)
ボウリングを楽しむ人たち=那覇市鏡原町の小禄ボウリング