「やり切った」笑顔広がる 技能五輪・アビリンピック 県勢、重ねた練習に手応え


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
磨いた技術を発揮して競い合う全国各地のアビリンピック代表者ら=4日、那覇市の県立武道館第1錬成場

 「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」は4日、競技2日目を迎えた。「技能五輪全国大会」は28職種が那覇市民体育館など14会場で行われた。「全国アビリンピック」は11職種が県立武道館や沖縄セルラーパーク那覇で行われた。洋菓子製造やフラワー装飾など技術のほかに創造性が評価されるものや、パソコン作業やメカトロニクスなど正確性や技術の高さを競うものなど、多様な競技が行われた。 

 家族や会社のメンバーらが競技を見守る中、選手らは真剣な表情で日頃培った技術を披露した。選手が作業を終えるたびに会場から拍手が湧き起こった。
 
 先行競技も含めた全職種の結果は、5日の閉会式で発表される。各競技、金賞、銀賞、銅賞、技能五輪は敢闘賞、アビリンピックは努力賞が与えられる。閉会式は午前9時から那覇市の奥武山公園陸上競技場で開かれる。
 
 アビリンピックには、県代表約20人が出場し、磨いてきた技術を発揮した。
 
 国際ビル産業で清掃員として働く那覇市の佐久川大輔さん(24)は、床や机の拭き掃除、ごみ処理などをする「ビルクリーニング」に県代表として出場した。仕事の合間に競技の練習を重ねてきた佐久川さん。「ごみやほこりを一つ残らず取ることを意識した。(練習成果は)出し切れた」と手応えを語った。
 
 製品を梱包(こんぽう)する「製品パッキング」競技に出場した大平特別支援学校高等部3年の我謝翔大さん(18)は1日約8時間も練習するなど努力した。人前に出るのは苦手だというが、大勢の来場者が見守る中で作業に集中できたことに「自信になった」と胸を張った。
 
 陽明高等支援学校3年の宮里夏海さん(18)は書類の郵送準備をする「オフィスアシスタント」に出場した。学校でも自宅でも練習を重ねてきた。本番では「今までで一番早くできた」と笑顔を見せた。
 
 パソコンで沖縄観光用のシンボルマークやチラシのデザインを作成する「DTP」競技に出場したNPO法人「バリアフリーネットワーク会議sorato」の瑞慶山良さん(25)=うるま市。脳性まひで手足が不自由な中、マウスに替わるトラックボールと呼ばれる装置でパソコンを操作した。「癒やしのイメージ」で仕上げ「できることはやった」とほっとした様子。
 
 「フラワーアレンジメント」に出場した中部農林高等支援学校3年の太田守紀さん(17)は「ほとんど毎日2時間以上、練習してきた。納得できる出来だ」と充実した表情を見せた。