共生の街づくりを 障がい者への配慮学ぶ 南風原町新川自治会


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合理的配慮の例などについて、熱心に耳を傾ける新川自治会の住民ら=10月29日、南風原町の新川コミュニティーセンター

 【南風原】「新川に住んで良かった」と思える地域をつくろう―。誰もが住みやすい地域づくりのヒントにしようと沖縄県の南風原町新川自治会は10月29日、新川コミュニティーセンターで、共生社会や障がいへの配慮の考え方などを学ぶ勉強会を開いた。県子ども生活福祉部障害福祉課の広域相談専門員を務める上間清香さんと盛島久美子さんが講師を務め、県内での差別解消の事例などを詳細に説明した。住民ら約20人が参加し、熱心に耳を傾けた。

 志慶眞健自治会長によると、新川自治会の福祉協力員連絡会を中心に勉強会の開催を求める声があり、町社協の協力で実現した。志慶眞自治会長は「新川に住む障がいのある人のために何ができるのか地域で考えたかった」と語った。

 県内各地で説明会を開いている上間さんらによると、字単位で同様の勉強会を開くのは珍しいという。

 説明会では、2014年4月に施行された「県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」などの解説もあった。

 合理的配慮について、上間さんは「配慮の形や量は人によって異なる。目的を平等に達成するための合理的配慮なので、その手段は人に応じて変わる」と話し、全ての人に同じ形の配慮をするのではなく、人に応じた配慮を考える大切さを語った。

 広域相談専門員に寄せられた事例も紹介された。図書館で自閉症の男性が女子小学生の持っていたキーホルダーを触ろうとしてトラブルになった事例では、「図書館側が職員に対し、障がいの特性を知る研修会を開催するなどして対応した」と紹介。上間さんは「地域で障がいについて知り、同じようなトラブルが起こらない環境にするために何ができるか考えることが大切だ」と話した。

 新川自治会では、今後も同様の勉強会を複数回開催する。次回は11月27日午後7時から予定されている。