琉球ゴールデンキングスの活躍もあり、各世代で「バスケ熱」がより盛り上がっている沖縄県内で、新しいバスケットボールの情報誌が誕生した。中学時代に沖縄バスケのとりこになり、20年以上にわたりファンとして、全国舞台などで戦う沖縄のチームを応援してきた金谷康平さん(35)=那覇市=が「アウトナンバー」のタイトルでタブロイド版を創刊。「沖縄バスケの歴史なども紹介しながら、バスケ愛を広げたい」と熱い思いを誌面に載せている。
(古川峻)
金谷さんは母が那覇市出身で、自身は東京都で生まれ育ち、大学時代までバスケットボール競技を続けた。中学2年の1997年、衝撃的な試合を観戦する。沖縄代表の北谷高と後にNBAプレーヤー日本1号となる田臥勇太が所属する当時高校チャンピオンだった能代工業高(秋田)の全国大会準々決勝。惜しくも敗れた北谷高だったが、王者と対等に戦うプレーにくぎ付けになったという。ここから「沖縄バスケ愛」が始まり、大学卒業まで全国大会での沖縄勢の試合を毎年のように追い掛けた。
大学卒業後は都内で営業関連の仕事に就いていたが、2015年に沖縄に移住した。妻の真代さんが那覇市出身で、プロリーグで奮闘するキングスを家族で応援したいと思ったことが、移り住むきっかけとなった。
一ファンとしてバスケに触れ合ってきたが、昨年12月、病で体を壊し、従事していた法律関係の仕事が続けられなくなった。その時に「好きなことを仕事にしよう」と一念発起。ずっと応援してきた沖縄バスケに携わる仕事を目指し、情報誌の発刊を決意。20年以上の思いを形にした。
10月半ばに出された第1号は、キングスの金城茂之選手がチームの状況や優勝への決意などを語る記事や辺土名高をはじめ、北谷高や中部工業高(現美来工科高)、前原高校などを強豪に育て上げた名将・安里幸男さんのコーチング哲学などが掲載されている。
アウトナンバーはバスケ用語で数的優位を意味する。「速攻を得意とする沖縄のバスケにふさわしい」と命名した。「沖縄バスケのあらゆる物語を掘り起こしたい」と展望している。
アウトナンバーは那覇市牧志のステップ・バイ・ステップや飲食店などで取り扱っている。
年4回発行を目指し、第2号は12月下旬に発売を予定。定価300円(税込み)。