キングス、手痛い黒星 福岡に73―77 Bリーグ第13戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は7日、沖縄市体育館でライジングゼファー福岡(同6位)と今季第13戦を行い、73―77で敗れた。同日は琉球新報社の冠試合として行われた。第1クオーター(Q)から福岡のリズムに引き込まれたキングスは、ハードな守備から立て立て直すも前半は29―40と苦しい展開。後半はミスでつまずいて失速し、そのまま振り切られた。キングスから福岡に移籍した津山尚大は13得点4アシストの活躍だった。次戦は10、11の両日、千葉県の船橋アリーナで千葉ジェッツ(東地区)と対戦する。

福岡(2勝11敗)
77―73(25―10,15―19,21―13,16―31)
キングス(10勝3敗)

 【評】キングスは第1Qから攻撃でシュートミスが目立ち、守備では相手のインサイドアウトを許して15点差をつけられる。守備からの速攻で勢いを取り戻すも、福岡の外角弾に手を焼いて前半は29―40で折り返す。第3Qはミスから19点差に広げられる。最終盤は追い上げてファウルゲームで迫ったが、一歩及ばなかった。

◆動揺してしまった

佐々宜央HC(キングス)の話 第1Qからやらせたくないパターンでやられ、相手のシュート成功率も上がり、動揺してしまった。今日の試合は精神論で終わらせず、調子が悪い時に気持ち的にも技術的にもどうするか、コーチとして選手に伝えていきたい。

◆相手を分析した成果

ボブ・ナッシュHC(福岡)の話 相手を分析した成果を選手らがうまくアウトプットした。3Qまでリードを保ったことは良かった。HCが代わり選手は学ぶべきことが多いが、一丸となって戦ってくれた。

◆先手を取られて空回り/第4Q猛追も届かず

キングス―福岡 第4Q 59―67と追い上げるダンクシュートを決めるキングスのアイラ・ブラウン=7日、沖縄市体育館(ジャン松元撮影)

 西地区首位のキングスは、出だしから同地区最下位の福岡に先手を取られると、一度もリードを覆せずに敗北した。タフな状況を立て直せなかった試合に、佐々宜央HCは「この負けを精神的なことで片付けては何も残らない。逃げずに考えていきたい」と、苦い表情だった。

 序盤から守備で福岡のシューター陣にやられたことで、攻撃までリズムが狂った。強みである3点弾の成功率は第1Qは0%、第2Qは7・1%、第3Qは9・5%と異例の低さ。逆にうまくシュートを決めていった福岡の津山尚大は、「皆が力を出せた」と振り返った。

 後半こそ巻き返したいキングスだったが、ミスが相次ぎ、熱くなってファウルトラブルも生まれるなど空回り状態。それでも田代直希が個人技で一矢報いた。

 第4Qは古川孝敏のスチールなど粘りの守備できっかけをつかみ、速攻で並里成のアシストからアイラ・ブラウンが弓ぞりのダンクを決めて会場を沸かせていく。シュート成功率も上がり始め、第4Qだけでは31―16と底力を見せたが、中盤までの点差が大きな足かせとなった。

 本試合で23得点と踏ん張ったジョシュ・スコットは「シュートが入らない時こそ、堅実な守備からチャンスをうかがわないといけない。今日の負けは、どの試合も全力で戦わなければいけないという教訓になった」と語った。
 (嘉陽拓也)