平均80歳の女子会で健康増進 行政に頼らず自主運営 沖縄・糸満「わかば会」


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世話役の大城幸子さん(前列左から2人目)と週に1度の活動を楽しみにしている「わかば会」のメンバーら=糸満市の武富公民館

 【糸満】みんなと一緒に踊りたい―。公民館に足を運ぶ機会が少なかった地域の女性の願いをかなえようと、2008年5月に発足した糸満市武富の「わかば会」。60代から91歳までの平均年齢約80歳の女性19人が、毎週火曜にオリジナルの踊りやパークゴルフで体を動かし、健康増進に役立ている。行政に頼らず、年会費2千円で運営。メンバーは「報告書を書かなくていいし、面倒くさいことがない。気兼ねなく話せる仲間とのゆんたくが楽しい」と、週に1度の女子会が元気の源になっている。

 「わかば会」は、市武富の女性が、デイサービスで踊っていた大城幸子さん(69)に「私も踊りたい」と声を掛けたのが始まりだ。25歳から婦人会で踊っていた大城さんが世話役を務め、誰でも簡単に踊れるよう振り付けを考えた。

 武富公民館で約10人からスタート。本人の体調や親の介護などで入れ替わりはあるが、現在は19人が参加する。大城さんがアレンジした振り付けで、民謡や歌謡曲などに合わせて踊り、体をほぐす。いすに座ったままでも踊ることができ、脳トレーニングを兼ねたゲームにも挑戦する。

音楽に合わせて踊りを楽しむメンバーら。いすに座った人たちも一緒に

 月に1度、市社会福祉協議会の健康運動指導士が体操やゲームを指導。習った体操を大城さんがアレンジする。月1回はパークゴルフも楽しむ。毎年8月は公民館が暑く、孫の面倒を見るメンバーも多いので夏休みだ。状況に応じて無理なく活動している。

 体を動かした後は、お楽しみの「もぐもぐタイム」。メンバーが持ち寄った果物や菓子を食べながらゆんたくで盛り上がる。最高齢の大城富子さん(91)は「毎週、楽しみにしている。みんなでおしゃべりするのが一番楽しい。わかば会は元気の秘訣(ひけつ)」と明るく話す。

 大城さんは「上手になるための踊りではなく運動の一環。体を動かし、おしゃべりしてストレス発散できればいい」と語る。武富公民館には、元気な女性たちの笑い声があふれている。
 (豊浜由紀子)