那覇 反撃届かず 九州高校女子サッカー 沖縄で開幕


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 女子サッカーの第29回九州高校選手権大会は9日、中城村のごさまる陸上競技場などで開幕した。初日は1回戦7試合を行い、沖縄1位の美里は筑陽学園(福岡2位)に1-5で敗れた。前半10分に先制したが、その後は得点できなかった。沖縄2位の那覇は神埼(佐賀1位)と対戦し、2-3で惜敗した。0-3から反撃し、1点差まで詰め寄ったが、あと一歩届かなかった。大会には大分を除き、各県から2チームずつが出場。決勝は12日正午から、ごさまる陸上競技場で行う。

那覇―神埼 味方のパスを受けて、1点目のシュートを放つ那覇の玉田花奈美(2)=9日、金武町フットボールセンター(嘉陽拓也撮影)

◆「挑戦者」後半に本領 ぶとく2得点

 前半3分で神埼(佐賀1位)に先制点を許した那覇は、玉田花奈美主将ら主力に硬さがあり、前半で0-3。厳しい展開で折り返す。それでも、玉田は「県大会決勝は美里に0-9でぼろ負け。3点差はまだいける」と下を向かなかった。吉本健二監督、照屋智志コーチが「挑戦者だ。自信を持て」と強気で送り出した後半から、那覇の本領発揮となった。

 追い風を味方に守備でしつこく重圧をかけ、当たり負けした前半とは逆に、やり返していく。ボール保持率が上がり始めた後半7分、右サイドで青柳希葉香がボールを奪い、中央の玉田につなぐと吉本監督が「シュート」と叫ぶ。前半、大不調だった玉田の「ただゴールに向かって蹴った」無心のシュートがネットを揺らし、味方を鼓舞する1点目となった。

 そこから那覇の押せ押せムードに。16分、ゴール前のフリーキックで、青柳が相手守備の壁を越える絶妙のシュートで2点目。攻撃に火が付いたが、チームの半数が高校から競技を始めたメンバー。勝負どころの終盤に足が止まり始めると、経験値の差か相手のサッカーに合わせてしまい、あと1点が奪えなかった。

 成長途中の那覇にとって善戦した内容だった。青柳は「一人一人が技術を付け、質の高いサッカーで勝ちたい」とレベルアップを誓う。

 玉田も「1月の新人大会に勝って再び九州を目指す」と力強い。しぶとく戦った選手らに吉本監督は「負けたが最後まで諦めず、成長できた。これから県内のコザと美里の2強に食い込んでいきたい」と手応えを強調した。 (嘉陽拓也)

美里―筑陽学園 試合開始早々に先制点を奪う美里の稲嶺楓(7)=9日、中城村のごさまる陸上競技場(古堅宗陽撮影)

◆美里 先制実らず大敗 筑陽に1-5 CK失点、痛恨

 美里は開始早々に1点を先制するも、その後は防戦一方となった。守備陣は粘ったが、コーナーキックから3失点し、1-5と筑陽学園(福岡2位)に力及ばなかった。具志堅一樹監督は「ここまで来られて、よく頑張った」と選手をねぎらった。

 前半10分、コーナーキックから稲嶺楓が右足で合わせ、ゴールを決める。幸先良い出だしだったが、26分に左サイドからミドルシュートを入れられ、34分に逆転弾を許した。花城梨々香主将ら守備陣は相手の攻撃に耐えるも、セットプレーによる3失点が響いた。

 守備の要として奮闘したは花城は高校最後の試合だった。「もっと皆とプレーしたかった」と涙をため、「一人ではなく皆で声を掛け合い頑張って」と話し、さらなるチームの成長を後輩に託した。