個別補償 代替案なく 防衛局、辺野古区振興で


この記事を書いた人 大森 茂夫
坂に沿って住宅が並ぶ辺野古集落=4月、名護市辺野古(資料写真)

 【名護】米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古区は13日、区普天間代替施設等対策特別委員会を同区で開いた。沖縄防衛局の伊藤晋哉企画部長や名護市の松田健司地域政策部長らも参加し、辺野古区の振興策について意見を交わした。区が求めている個別補償の代替策について沖縄防衛局から提案はなかった。

 委員会は非公開で行われた。防衛局の伊藤部長は終了後、記者団に対し「振興策についてどのような要望があるのか意見交換した」と話した。辺野古区が求めている個別補償に関しては従来通り「区民の皆さまに実質的に還元できるような方策を検討していく」と述べるにとどめた。

 区の委員によると、個別補償がなければ区民は納得しないとして改めて個別補償を求める声も上がったが、防衛局は個別補償は「難しい」と答えた。代替策については新たな提案はなく「模索中」との返答だったという。名護市の松田部長は「地域振興の観点から市として取り組めるものは要望を聞きながら取り組んでいく」と答えた。辺野古区が求める個別補償に関して渡具知武豊市長は「市として対応できるものではない」と述べている。