地位協定比較「意味ない」 河野外相、改定に消極姿勢


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河野太郎外相

 【東京】河野太郎外相は13日の衆院安全保障委員会で、ドイツやイタリアの地位協定のように日米地位協定でも基地の立ち入りなどが認められるよう米側に求めるべきだとの指摘を受け「一部を取り出して比較をすることには意味がない」との考えを示した。赤嶺政賢氏(共産)に答弁した。

 地位協定については今年1~2月に県がドイツやイタリアを現地調査し、基地立ち入り権や訓練規制など米軍に国内法を適用している事例を挙げ、日米地位協定改定の必要性を訴えている。今年7月には全国知事会が日米地位協定改定を求める提言を採択した。

 河野氏は「日米の地位協定と第三国とアメリカの間の地位協定を一律に比較するのは難しい」と指摘。日本では環境や軍属に関する補足協定などで改善が図られているとして「ドイツとイタリアはやったけれども日本はやっていないというのは適切でない」と強調し、改定に消極的な姿勢を見せた。

 赤嶺氏はドイツやイタリアでは世論の盛り上がりを受けて地位協定を変えてきたのに対し、日本は改定を一度も提起したことがないことに触れ「(改定が)できない説明を探すのではなく、どうすればできるかを考えるべきだ」と批判した。

 河野氏は今月7日の参院予算委員会でも、日米地位協定とイタリア・ドイツの地位協定との違いに関して問われ「NATO加盟国間の相互防衛の義務を負っている国と、それと異なる義務を負っている日本の間で、地位協定が異なるということは当然あり得る」と述べていた。