[知事訪米]玉城知事、県と日米両政府の3者協議を要請 辺野古移設 米は返答せず


この記事を書いた人 Avatar photo 桑原 晶子
米国務省でナッパー国務副次官補代行(左中央)らと会談する沖縄県の玉城デニー知事(右手前)=14日、ワシントン(沖縄県提供)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米首都ワシントンを訪問中の玉城デニー知事は14日(日本時間15日)、国務省のマーク・ナッパー副次官補代行、国防総省のポール・ヴォスティ日本部長代行の両者と国務省で会談した。玉城知事は米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対の意向を伝え、県と日米両政府の3者協議を開催するよう要請した。米側は「辺野古が唯一の解決策」と従来の見解を繰り返し、3者協議についても明確な返答はなかった。会談後、国務省は「普天間飛行場の代替施設建設は揺るぎないコミットメント(約束)」と声明を出し、玉城知事と米政府関係者との初会談は平行線に終わった。

 会談後、玉城氏は記者団に対し「辺野古が唯一と言っている限り、暗礁に乗り上げた問題だ。動かすためには、動かす立場にいる人たちが話し合わないと船は動かない」と、3者協議の必要性を重ねて主張した。

 県民が選挙で何度も新基地建設に反対の民意を示しているにもかかわらず、日米両政府が一顧だにしない状況に「県民は不満を高めている。そういう状況にあっては、日米の安定的な同盟関係、ましてや沖縄の基地負担軽減など、県民の不安は払拭(ふっしょく)できない」と、米側に警鐘を鳴らした。

 また、埋め立て予定地の一部が軟弱地盤とされていることも説明。地盤改良など、工法の変更には県知事の許可が必要であり「工事の完成にはまだまだ時間がかかる」と伝えたが、米政府側からのコメントはなかったという。「日本と米国は双方がこの問題のおのおのの当事者であり、責任者であることを忘れないでほしい」と、米政府側に強く訴えた。

 メイジー・ヒロノ上院議員(民主)、デイビッド・プライス下院議員(同)、杉山晋輔駐米大使らとも同日、面談した。玉城氏は4日間のニューヨーク、ワシントンでの日程を終え、15日に帰国の途に就く。