大湾2冠 重量挙げ全日本女子選抜


社会
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 団体の順位も競う重量挙げのレディースカップ第10回全日本女子選抜選手権大会(いきいき茨城ゆめ国体リハーサル大会)は21日、茨城県の高萩氏文化会館で開幕し、高校の部58キロ級で大湾ゆみか(豊見城南)がスナッチ76キロ、ジャーク95キロのトータル171キロで栄冠を手にした。7月の第20回全国高校女子選手権大会に続き、再び全国の頂点に立った。

 県勢は一般の部で48キロ級の伊良皆理絵(真和志高―金沢学院大)がスナッチ65キロ、ジャーク80キロ、トータル145キロで3位に入ったほか、58キロ級の具志堅莉奈(豊見城高―東京国際大)はトータル170キロで4位、53キロ級の宮城円(琉球倶楽部)はトータル147キロで7位に入った。

 高校の部では53キロ級の大城朱萌(那覇)がトータル146キロで6位、天久星空(本部)がトータル139キロで8位だった。

◇成長の試技 高校最後飾る 強い心 失敗慌てず

高校の部58キロ級で優勝した大湾ゆみか(豊見城南)のジャークの試技=茨城県の高萩市部文化会館(提供)

 高校の部58キロ級の大湾ゆみか(豊見城南)は7月に全国優勝した時よりも、スナッチで5キロ、ジャークで6キロ上回り、成長している姿を見せた。ジャークの3本目に入る前に優勝が決まる安定ぶり。最終試技は初めての重量となる100キロへの挑戦で惜しくも失敗。スナッチ、ジャークとも自己ベストには2キロ足りなかったが、「最低限の成績は残せた」と高校最後の大舞台で有終の美を飾った。

 練習通りの結果を出せれば、記録も順位もついてくると信じ、気負いなく大会に臨んだ。しかしスナッチ1本目の73キロを失敗する。出だしでつまずいたが、ここで慌てないのが大湾の強さ。同重量の2本目を成功すると、3本目に76キロを挙げ、続くジャークも1本目(92キロ)、2本目(95キロ)としっかり差し挙げた。

 ジャークの最終試技に臨む前に優勝が決まった。あとは自身の記録との戦いの中、平良一悦監督が「勝負にいこう」と声を掛け、練習でも触ったことのない100キロへの挑戦を決めた。「重さは感じなかった」という試技は、「取れた」感触はあったが、頭上に持ち挙げる際のタイミングがずれ、失敗に。大台達成を惜しくも逃し「イメージしたように体が反応してくれなかった」と残念がった。

 高校卒業後は日本体育大学に進学する予定。将来像はまだ描いていないと話すが、「多くの沖縄の先輩たちのように国際大会に出場したい」とさらなる大舞台での輝きを目指す。