島の言葉 鍵は若者 危機言語サミット 高校生ら議論 宮古島


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危機言語・方言の継承をテーマに、宮古言葉について語る砂川姫奈多さん(左)=24日、宮古島市平良のマティダ市民劇場

 【宮古島】「2018年度危機的な状況にある言語・方言サミット 宮古島大会」(文化庁、沖縄県、宮古島市など主催)が24日、宮古島市平良のマティダ市民劇場で開かれた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が消滅の危機にあるとした国内8言語の関係者らが、各地の現状報告や、保存、継承の取り組みなどについて報告、論議した。

 「危機言語・方言を継承する」のテーマで行われた協議では、継承される側として高校生や大学生が登壇した。宮古言葉を学ぶ宮古高校の砂川姫奈多さんは「生まれ育った地域の言葉には、地元の人たちとのつながりを感じることができる」とその重要性を強調。一方で「同世代はあまり言葉に関心がなく、日常で使用する機会がない」と継承への課題も指摘した。

 北欧の少数民族「サーミ」の高校生サラ・カップフェルさんはノルウェーから参加。ユネスコに「重大な危険」と分類された「南サーミ」の言語などを学んでいるという。母国の同化政策によって根深く残る差別などにも言及しつつ、文化の継承については「最近はサーミの歌い手や役者が活躍しており、エンターテインメントや文化を入り口にすると、興味を持ちやすいと思う」などと提案した。

 そのほか、言葉の聞き比べもあり、池間、狩俣、大神、荷川取、来間、上野、城辺、伊良部、多良間の9地域の人たちがそれぞれの言葉に訳した短歌などを読み上げ、地域による言葉やイントネーションの違いを比較検討した。