地主への返還金は9億円! 那覇市の固定資産税 過大徴収


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 那覇市が2006年度から3年間、那覇空港、航空自衛隊、陸上自衛隊用地を3施設ごとに評価し固定資産税の過大徴収が生じた件で、既に損害賠償金を支払った原告を含めて対象地主約4500人への返還金が約9億円に上ることが27日、分かった。市は原告以外の地主への返還金など、約8億7千万円を補正予算として12月3日から始まる12月定例会に提案する。

 市は、3用地を施設ごとに評価した06~08年度と負担調整や地価の上昇で差額が出た09年度から17年度までの11年間を返還の対象とした。補正予算には遅延損害金などを加え、8億7443万円を計上した。

 3施設の固定資産税徴収を巡っては、市がこれまで一団の土地として評価していた3用地を06年度の評価替えで別々の土地として評価したため、陸自用地と空自用地の評価額がそれまでの評価額よりも高くなった。09年度には地主の意向で3施設を一団の土地とする評価方法に戻した。

 しかし、地主が損害賠償を求めた一審二審ともに、裁判所は3施設を別々に評価した市の判断を違法とした。市は最高裁への上告を提案したが議会が反対多数で否決し、3月に市の敗訴が確定した。

 市は5月に原告78人に対し、06年度から14年度までの差額などを損害賠償金として3264万8千円を支払った。