客船港 インフラ整備を 沖縄クルーズカンファレンス 将来像を議論


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沖縄でのクルーズの可能性を語るパネリストら=28日、那覇市泉崎の県市町村自治会館

 クルーズ船の寄港地としての沖縄の可能性や課題を探る、沖縄クルーズカンファレンス2018(県、沖縄観光コンベンションビューロー主催)が28日、那覇市の県市町村自治会館で開かれた。アジアに寄港実績がある国内外の船会社10社や県内の観光業、行政の担当者ら約200人が参加し、沖縄でのクルーズ産業の将来像を議論した。クルーズ船社の関係者からは、インフラ整備の重要性などが指摘された。

 クルーズライン国際協会(CLIA)北アジア会長のジナン・リウ氏は「クルーズハブとしての沖縄の将来像」と題して講演した。日本や沖縄は、目的地の港(デスティネーションポート)として人気が高いことを紹介し「ハブ港としての可能性は、上海やシンガポールから来て他の場所へ行くトランジットポート(中継港)か、那覇を発着するターンアラウンドポートを想定した港づくりの2通りある」と語った。どこから乗客が訪れるか(ソースマーケット)を想定したコンセプトを立てることが重要になることも指摘して、「港湾のインフラや目的地をしっかりと捉えるべきだ」と助言した。急速にクルーズ市場が成長している中国との近さを評価しつつ、港湾の駐車台数やツアーに使えるバスの不足を課題に挙げ、港湾の水深などを改善するよう求めた。

 県文化観光スポーツ部の嘉手苅孝夫部長も基調講演を行った。沖縄の地理的優位性や空港との近さを生かしたフライ&クルーズの可能性と、県が策定した東アジアのクルーズ拠点形成を目指す「東洋のカリブ構想」を紹介した。嘉手苅部長は「島しょ性を生かしたアイランドホッピング(島巡り)が見込め、独自の伝統文化を体験できる」と沖縄の強みを強調した。

 カンファレンス終了後には各港湾の紹介や商談会が実施された。29日は本部港、中城湾港、那覇港の視察が予定されている。