飛躍のFC琉球 金監督、朴主将に聞く


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 サッカーJ3でJ2昇格と優勝を決めたFC琉球は、2日の富山との最終戦をもって2018シーズンを終えた。通算成績は20勝6分け6敗。勝ち点は2位鹿児島に9点差をつける66、他を圧倒した優勝だった。総得点も70点とリーグ屈指の攻撃力を見せ、J1浦和に続く「ホーム無敗」の快挙を打ち立てた。琉球はシーズンを通して、チーム力を上げ、沖縄サッカー界の歴史をつくった。就任3年目でチームをJ2に導いた金鍾成監督と守護神で主将の朴一圭に、今季の振り返りや来季J2への課題など、胸の内を聞いた。(聞き手 喜屋武研伍)

金監督「選手層もっと厚く」 朴主将「J2へ休む暇ない」

飛躍となった今シーズンをうれしそうに振り返るFC琉球の金鍾成監督(右)と朴一圭主将=沖縄市役所

 ―昨年の6位から、今季は振り返ると最速優勝、J2昇格と飛躍の年となった。シーズンを終えて、今の気持ちは。

 金鍾成監督「既にセレクションも行っていて、シーズンが終わったというよりは、徐々にJ2に向けた取り組みが始まっているな、と実感している」

 朴一圭主将「自分は指の手術をしてしまったので、早く来季に向けて動きだしたい。12月2日の最終戦が終わってからすぐJ2のことを考えてしまっていた。来季へ向けて休む暇はない」

 ―今季で印象に残った試合は。

 朴主将「6月の長野とのホーム戦。両チーム得点が出ない中、終盤に琉球が2得点を入れ、そのまま勝利した。昨季までは終盤にネガティブな失点をすることが多かったが、この試合で勝ち切る成功体験をできたことが、後の連勝街道につながった」

 金監督「チームが変わったという点なら、沼津とのホーム戦(6月)と秋田とのアウェー戦(7月)だ。パワーで押してくる相手に対し、これまで最後に失点することが多かったが、最後の最後に得点を決めて勝ち切った。それから順位を意識し過ぎず、一戦一戦に集中したことが、結果に結び付いていった」

 ―J2へ向けて、現状のチームの課題は。

 金監督「J2はJ3より10試合多く42試合ある。今季はフィジカルコーチをはじめ、皆が頑張ってくれたからけが人はいなかった。来季は選手層をもっと厚くしていかないといけない。選手の出入りもあると思うが、できる範囲でやっていくしかない。現場とフロントと共に進めていく」

 朴主将「J2のチームと技術にそこまでの差はない。イレギュラーなところで順応できるかが大事になってくる」

 ―J2へ向けた意気込みを。

 金監督「J2よ来い。向かってきたら立ち向かうし、つぶされたらまた立ち上がる。J2を体感しながら、しっかり対応していきたい」

 朴主将「琉球らしくパスを縦につなぎ、ゴールに向かっていくサッカーを皆さんに見せたい」