「沖縄だけなぜ?」 上空飛行「慣れた」 普天間の子どもたちの思い


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安全集会の訓練で運動場に設置された避難所に走り込む児童たち=9月12日、宜野湾市新城の普天間第二小学校

 【宜野湾】普天間第二小の米軍ヘリ窓落下事故から1年を迎える沖縄県宜野湾市では、事故後も米軍機が頻繁に市民の頭上を行き交う。同小に通う児童や地域からは「今も学校の上を飛んでいる」「またいつ起きてもおかしくない」など不安を訴える声が上がった。

 12日夕、同小の児童らが放課後に集う「そいそいハウス」。6年生の男児(11)は「事故直後はみんな気が動転してた。体育をしてた子たちは大丈夫か心配になった」と振り返る。5年生の男児(11)は「できる限り学校の上は飛ばないって言ってるけど、飛んでるよね」とあきれ顔に。「事故の後は『落ちたらどうしよう』って思ったけど慣れた。先生たちも話さないし、忘れたいんだはず」と淡々と語った。

 一方、米軍機の飛行に違和感を感じる子もいた。4年生の男児(10)は「(県外では)飛行機が飛んでなくて、いいなーって思った。沖縄だけ何で?」と天井を見上げた。

 同小卒の男性(35)=市新城=は、母校での事故を「やっぱりまた起こったか」と冷静に見る。在校中にも、小学校から近い基地外で部品の落下事故があった。窓落下事故では、親戚の児童が負傷した。「学校と基地の距離が近く、いつ事故が起きてもおかしくない地域だ」と憤った。比嘉千代さん(80)=市喜友名=は、事故の一報に「あってはいけないことが起きたと思った」と振り返る。「相変わらず飛行は多く、うるさく、恐怖も感じる」と眉をひそめた。