運動会で育む 区民の絆 沖縄・名護市嘉陽 9年ぶり区内開催


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パン食い競争に挑む子どもたち=11月23日、名護市の旧嘉陽小学校

 【名護】沖縄県名護市嘉陽区(翁長信之区長)はこのほど旧嘉陽小学校グラウンドで、区として初の取り組みとなる区民運動会を開いた。嘉陽小が閉校して以降、区内では運動会がなかった。区内で運動会が開かれるのは9年ぶり。住民や出身者、北部看護学校の学生など約70人が参加し、パン食い競争や二人三脚などに汗を流した。

 区はかつて嘉陽小学校の運動会に参加していたが、2009年の閉校以降、区内での運動会が途絶えた。

 これに対し2年ほど前から、出身者でつくる郷友会の会員から「区民と郷友会が共に取り組める行事がほしい」との要望が上がっていた。それ以降、運動会の準備を進め、今回の開催にこぎ着けた翁長区長は「初めての取り組みで心配だったが、人が集まって良かった。来年は(隣の)安部区と共同で開きたい」と話した。

 開会式で参加者らは旧嘉陽小の校歌を歌った。翁長区長は「昔話に花を咲かせて、けがなく過ごしてほしい」と呼び掛けた。

 競技はパン食い競争や男女ペアの二人三脚リレーなどがあり、参加者は一体となって楽しんでいた様子だった。子どもたちの参加も多く、家族の声援を受けながら、駆けっこなどの競技に取り組んだ。祖父母の家が区にある松田琉生君(6)=名護小学校1年=は「走るのが好き。楽しかった」と話した。

 北部看護学校からは学生ら約30人が参加し、運営を手伝った。2年生の内間貴紀さん(22)は「地域が和気あいあいとしていると感じた」と話していた。