社会の課題解決支援 レキサスの比屋根氏ら 「うむさんラボ」設立


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社会課題の解決に取り組む起業家らを支援しようと、比屋根隆レキサス社長が立ち上げた「うむさんラボ」のコアメンバーら(セソコマサユキさん撮影・提供)

 システム開発などを手掛けるレキサス(うるま市)の比屋根隆社長はこのほど、社会課題の解決につながる事業やプロジェクトを支援するうむさんラボ(うるま市)を、投資家や新規事業開発の専門家、クリエーターらと共に立ち上げた。収益性と同時に社会課題の解決に好影響を与える事業を志す起業家に対し、投資や経営支援を行う「社会的インパクト投資」を、年明けにも県内で本格化させる考え。独自の事業開発や起業家の育成・輩出も行う予定だ。

 国内の証券会社や外資系投資銀行でM&Aやファンド運用などの経験もある、県産業振興公社の大西克典ハンズオンマネジャーは「社会的インパクト投資は県内では前例がないと思う。画期的だ」と評価する。「環境や社会性に配慮したESG投資は国内で50兆円規模。それらが今後はインパクト投資に向かうのではないか。安定的に資金提供できる仕組みづくりも必要だ」と述べた。
 うむさんラボは今後、環境や教育など沖縄が抱える諸課題の解決を目指す起業家やプロジェクトなどへの支援を視野に検討を進める考えだ。ファンドの創設も目指すという。
 主要メンバーは比屋根社長に加え、リクルート出身で創業支援などの経験が豊富なハノイ・アドバンスド・ラボ社長の佐藤道明さん、投資家でG8インパクト投資タスクフォース国内諮問委員の白石智哉さん、国内外で活動するデザイナーの岡田味佳さん、県内在住の編集者セソコマサユキさんら8人。立ち上げは10月。12月5日に公式サイトがオープンした。
 比屋根社長は「経営支援や財務サポートなど起業家に必要な支援を積み重ね、社会的インパクト投資のモデルをつくりたい」と述べた。「将来は県民ファンドをつくり沖縄を豊かにするプロジェクトや起業家を県民で応援するスキームをつくりたい」と語った。

 社会的インパクト投資 金銭的なリターンと同時に、社会課題の解決に好影響を与えるなど社会へのインパクトを重視する投資手法。日本における社会的インパクト投資の現状をまとめたGSG国内諮問委員会の報告書によると、国内の同投資の市場規模は2017年度約718億円で16年度の337億円から倍増している。