知花花織と紅型コラボ 共同でショール制作 沖縄市


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知花花織事業協同組合の池間孝典専務理事(右)と織物を担当した久保要理事=沖縄市知花

 【沖縄】国の伝統工芸品に指定されている沖縄市の知花花織と紅型がコラボしたショールが、県内外で販売されている。知花花織を他の工芸品と組み合わせた作品の制作は初の試み。沖縄市工芸フェアのコラボレーション事業の一環で、紅型作家の宏次染工房の金城宏次さん(49)=沖縄市=の提案を受け実現した。知花花織事業協同組合(小橋川順市理事長)の理事、久保要さん(34)は「濃い色の部分も紅型の色が出ており、花織と紅型の両方が生かされている」と話すなど、会心の出来栄えとなっている。
 ショールは、金城さんがデザイン画を描き知花花織事業協同組合が仕上げた織物に、金城さんがボタンの花模様の紅型をあしらった。白・青・オレンジの3種類があり濃淡の異なるチェック模様が特徴。縦170センチ、横40・5センチで、両端には縦に連続して知花花織の模様が入っている。
 織りを担当した久保さんは「柔らかく均一にする点が難しかった。私もデザインをするが、自分では考えつかないようなデザインで、いい刺激になる」と話す。

知花花織に紅型をあしらったショールを手にする宏次染工房の紅型作家金城宏次さん(左)と、販売を担うボンドオキナワの塚本信さん=沖縄市胡屋

 これまで藍染めなどとも共同制作の経験がある金城さんは、3年前から知花花織との構想を練っていたという。「チェック柄にすると決めていた。古典柄をアレンジし、紅型だけが目立ってしまわないよう、ほどよい大きさにした」と、制作に当たって工夫した点を語る。失敗が許されない高価な花織だけに、染める際は緊張するという。
 主に県外の百貨店を中心に、販売を担うボンドオキナワの塚本信代表(46)は「両方が引き立て合っていて素晴らしい。こんな素敵なものが身近にあることを沖縄の人にも知ってほしい」と話している。
 県内では恩納村瀬良垣のハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄で取り扱っている。問い合わせは同ホテル(電話)098(960)4321(午前10時~午後9時)、メールはseragaki.market@hyatt.com