観光受け入れに余力 りゅうぎん総研調査 ハワイ比で優位性


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 りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は15日までに、調査リポート「ハワイの観光と沖縄」を発表した。ハワイでの現地調査を踏まえて、沖縄観光への提言などをまとめた。ハワイと沖縄の1日当たりの観光客数を比較して「沖縄はまだ観光客の受け入れ余力がある」と分析。沖縄は成長が見込まれるアジア地域に近いことから「大きな優位性を持っている」としている。

 年間観光客数と平均滞在日数を基に導き出す1日当たりの観光客数を見ると、ハワイが約23万人で沖縄は9万3962人になると計算した。ハワイでは観光の中心地オアフ島から、マウイ島などへ観光客の分散が進んでいることを説明。沖縄本島がオアフ島と比べて面積がやや小さく、人口が多いことに触れて「(沖縄で)受け入れ拡大のためには観光客が比較的、少ない地域での拡大を目指すべき」としている。

 1人当たりの観光消費額はハワイが19万8699円(1ドル112円換算)に対して、沖縄は7万3945円と約4割にとどまる。沖縄の観光消費額を伸ばすために「より多くの観光客を受け入れる必要がある」と指摘している。

 リポートではハワイについて中部太平洋に位置する「どこからも遠い」中で世界中から観光客を集めている理由について「ハワイブランドに磨きをかけてプロモーションの大切さを認識して実践したから」と述べた。沖縄については「アジアという巨大な観光の需要地に近く、地理的優位性を持っている」と強調した。