宜野湾、沖縄、うるま 3市で県民投票予算否決


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県民投票予算案を否決した宜野湾市議会=20日

 名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票で20日、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市と沖縄市、うるま市の3市議会で投票事務経費を盛り込んだ補正予算案の採決が行われ、いずれも賛成少数で否決された。宜野湾市議会では再議でも否決され、松川正則市長は市長権限で予算を執行するか「一両日中に決める」との考えを示した。一方、県の謝花喜一郎副知事は、県民投票を実施しない考えを示した宮古島市の下地敏彦市長を訪ね、地方自治法に基づいて予算を計上し、適切に事務を執行するよう勧告した。 

 下地市長は謝花副知事との会談終了後、記者団に「国と県は行政上対等な立場であると同様、県と市町村も同じように(予算を)執行しなくてもいい」との見解を改めて示した。その上で、県の勧告に対する回答を26日までに行うとしている。

 20日は4町村議会でも関連予算案の採決があり、北谷町、読谷村、東村、伊是名村の各議会はいずれも予算を可決した。県内41市町村のうち20日までに32市町村で採決があり、24市町村議会が予算を可決した一方、県民投票に関する予算を否決または削除したのは8市町となった。

 宜野湾市議会(上地安之議長)は最終本会議で補正予算案を賛成10、反対15で否決した。松川市長は直後に再議に付したが、同数で否決された。閉会後、松川市長は「議会の否決という判断は、やはり重いのかなと思う。熟慮した上で判断したい」と述べた。

 同様に市議会に予算案が否決された沖縄市とうるま市のうち、桑江朝千夫沖縄市長は21日にも再議に付す考えを示した。再議でも否決された場合の対応については「想定は差し控えたい」と述べるにとどめた。

 21日は、浦添市で18日に否決された補正予算案が最終本会議で再議に付されるほか、糸満市、名護市、南城市、南風原町、伊江村でも審議が行われる。