南風原町、国保税上げ 来年度から「医療費増で見直し」


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 【南風原】沖縄県南風原町は、2019年度から国民健康保険税を引き上げる。21日の町議会12月定例会最終本会議で、条例の一部改正案が賛成多数(賛成12、反対3)で可決された。保険料引き上げにより年間約6500万円の税収増を見込む。町の国保税引き上げは2000年以来19年ぶり。

 引き上げ幅は所得や世帯人数で異なるが、町の試算では、40歳以上の2人世帯で所得が200万円の場合、現行の25万8515円から改正後は28万7174円となり、年間約2万8600円の増となる。同じ40歳以上の2人世帯で、7割軽減措置を受ける低所得世帯の場合は年間約4700円増と試算している。

 17年度の1人当たりの医療費は08年度に比べて40%増の約33万円だった。国保税引き上げについて、町民生部は「医療費が増え続ける一方、長年保険税は据え置かれている。見直しは必要だ」と説明した。

 また、国保財政は4月に市町村から県に移管されており、県は24年度に国保税を全県で統一する方針。現在同じ課税方式を採用している県内11市町村のうち、現在は南風原町が最も税率が低い。町民生部は「統一に向けて段階的に近づける必要がある」としている。改正により11市町村で6番目の税率となる。

 町は国保の累積赤字が16億円を超える見通しとなったことから、17年度の国保会計は、一般会計から約10億円を繰り入れた。しかし、それでも収入不足となったため18年度予算から約6億2700万円を繰り上げ補填(ほてん)した。

 町は今後、納付書や町広報、町ホームページで国保税引き上げについて周知する。

 本会議では、総務民生委員会で継続審議を求める動議が出されたが、賛成少数で否決された。