県民投票「権利奪うな」 宮古島市不実施 市民集会、抗議の決議


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宮古島市での県民投票の実現に向けて、気勢を上げる市民ら=23日、宮古島市平良のJA宮古地区本部大ホール

 【宮古島】沖縄県宮古島市の下地敏彦市長が名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票への不参加を表明したことを受け、市民有志でつくる「県民投票実現!みゃーくの会」(奥平一夫、亀濱玲子共同代表)は23日、県民投票実現を求める市民集会を宮古島市平良のJA宮古地区本部で開いた。会場には約200人の市民が集まり、市長の判断を疑問視し、投票不実施に抗議の声を上げた。

 集会では「宮古島市民は市長や市議に自らの意思表示まで付託した覚えはなく、私たちの権利を奪う権限はない」などと訴えた大会決議を採決した。決議文書は25日にも市長に提出、再考を求める。

 集まった市民からは「辺野古のみを争点に選挙をしたことはなく、民意が示されているという市長や市議の意見には違和感がある」「市民から投票の権利を奪うのは地方自治法違反だ」「損害賠償、リコールも検討すべき」などとさまざまな意見が飛び交った。

 集会で奥平共同代表は「宮古島の4184筆の署名者の思いを平気でつぶしていいわけがない」と憤りを表し、市長の方針が変わらない場合には「住民訴訟や市長不信任も視野に、投票実現に向けて全力で運動を広げていきたい」と訴えた。亀濱共同代表は「沖縄の未来を決める権利を守るため、力を合わせていこう」と呼び掛けた。

 参加した60代男性=市平良=は、市長の判断について「市民の意思決定を奪っているという自覚がなく、行政としてやってはならないことだ」と批判。「もっと市民の声をきちんと聞いてもらいたい」と語った。報道で怒りが収まらずに参加したという40代女性=同=は「市長には考え直してもらいたい」と険しい表情で話した。

 下地市長は18日、県民投票について「議会の議決は重い」として実施しない意向を示した。