プロ認証制知って! ダイビング沖縄県内ショップ 安全確保策も低調 900店のうち認証28店


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SDOの研修で水中からのレスキューを行う訓練(OMSB提供)

 沖縄観光の人気マリンレジャーの一つダイビングの「沖縄ブランド」の確立を目指し、沖縄マリンレジャーセイフティービューロー(OMSB)が展開するプロフェッショナル認証制度が広がりに欠けている。22日現在の認証ショップは約3%。安全性の低いショップを見分けることにもつながるとして、OMSBや業界関係者は制度活用やダイビング客への周知を呼び掛けている。

 プロ認証はダイビング客の保護を目的にした沖縄独自の制度で、名称は「Safety Diving in Okinawa(SDO)」。今年4月に始まった。県内にダイビングショップは約900あるとされるが、プロショップ認証されたのは22日現在で28店だけだという。

 プロダイバー認証では、心肺蘇生法(CPR)やAED活用・海洋レスキュートレーニングの受講、2年以上の実務経験とガイド1千本以上、賠償責任保険や傷害保険への加入などを基準としている。更新は年1回の研修会参加が必要。プロショップ認証にはプロダイバーが1人以上在籍していることなどが条件だ。反社会的勢力排除に関する誓約書への署名も必要で、県警に照会した後に認証している。

SDOロゴ

 認証ショップなどによると、県内では入域観光客数の増加に伴いダイビング客は国内・国外を問わず増えている。その中で、無届けの外国人事業者、安全技術が低くダンピング価格で営業するショップも出てきているという。OMSBの大迫英一事務局長は「差別化にもつながる」として、こうした業者を判別する材料としても有効だとした。

 ただ、認証基準は多岐にわたり、個人事業者など多くのショップにはハードルが高いと思われる。研修会は県内各地域のダイビング関連団体が実施しており、少人数では難しいレスキュー訓練などにも取り組めるため、安全技術の維持、向上のためにも必要だという。

 ダイビングショップ県内大手、シーサー(那覇市)の稲井日出司社長は「高齢者のダイバーも増えており、定期的に研修を受けないと、とっさの行動は難しい。ショップを選ぶ際に認証制度を一つの基準にしてほしい」と訴えた。