安慶田元副知事の敗訴確定 教員採用口利き、控訴せず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2015年度の教員採用試験に関する安慶田光男元副知事の口利きの有無が争われた訴訟で口利きはあったと認定した11日の那覇地裁判決について、安慶田氏は25日、控訴しないことを決めた。虚偽の証言をしたとして前教育長の諸見里明氏を訴えた行為は不法とし、損害賠償計525万円を諸見里氏に支払うよう命じた安慶田氏の敗訴判決が確定した。

 安慶田氏は代理人弁護士を通じて発表したコメントで「判決は到底容認できない」とした上で、裁判の長期化は県民や関係者にさらに迷惑や負担を掛けることになるなどと理由を説明した。また副知事の退職金を返納する考えを示した。「故翁長知事の恩情であるなどのいわれなき批判や県政の混乱を避けるため」とし、同日、県に全額返納することを伝えたという。

 控訴断念について諸見里氏は「ほっとしている。安慶田さんも認めてくれて感謝している」と述べた。

 平敷昭人教育長は「再発防止へ要項も作った。引き続き公平性を確保できるよう努めていく」と話した。