キングス圧勝劇 横浜に83―42 Bリーグ第28戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区)は30日、沖縄市体育館で横浜ビー・コルセアーズ(中地区)と今季第28戦を行い、83―42で大勝した。戦績は21勝7敗となった。

 けが人が続出し厳しい「台所事情」のキングスだが、守備ではミスマッチをもろともしない粘りと、攻撃は息の合った連係を披露。横浜のペースを乱し、前半から49-12と圧倒した。後半もキングスの主導権は変わらずに、ジェフ・エアーズをベンチで休ませながら、日本人選手のみで勝ちきった。

 次戦は31日午後7時5分から同体育館で横浜とホーム2戦目を行う。

 (沖縄市体育館、3341人)
キングス(21勝7敗)
 83-42(19-2,30-10,20-13,14-17)
横浜(6勝22敗)

 【評】ジョシュ・スコットが負傷で不在のキングスだが、寒竹隼人らが奮闘し、相手外国人選手とのややミスマッチ感も吹き飛ばす激しい守備で横浜を抑えた。攻撃はマークを振り切りつつ、味方のドライブをサポートする選手間の連係が光り、点差を広げた。終盤はジェフ・エアーズをベンチで休ませつつ、反撃を許さなかった。

◆我慢し続ければ光が

 佐々宜央HC(キングス)の話 点数が動かない序盤でよく我慢して、遂行力の高い出場選手が(好機を)こじ開けてくれた。前回の大阪戦後、個々のできることを確認し、今日に臨んだ。頑張り続けないと報われない。我慢し続ければ、いつか努力に光が差す日がくる。

◆恥ずかしいの一言

トーマス・ウィスマンHC(横浜)の話 うちには恥ずかしいの一言しかなく、琉球には称賛の言葉しかない。けが人のいる琉球は強い気持ちでファイトを出してくると分かっていたが、同等の気持ちを出せず、圧倒されてしまった。

◆逆境、強い精神力で克服

琉球―横浜 第3Q 素早く切り込みシュートを狙うキングスの岸本隆一=30日、沖縄市体育館(喜瀬守昭撮影)

 得点源のアイラ・ブラウンと守備の要である須田侑太郎のけがに加え、負傷手術したジョシュ・スコットの復帰未定という試練の中、キングスはエナジー全開で横浜を序盤から圧倒した。ほぼダブルスコアでの大勝。ファンの心配を杞憂(きゆう)に終わらせる点差だが、佐々宜央HCは「本当に試されていた」と、逆境の中でつかみ取った勝利に声を震わせた。

 開始から約4分間無得点ゲームが続いたが、「シュートの質は高い。守備でいかに我慢するかだった」とジェフ・エアーズ。そして、ルーズボールに飛び込んだ田代直希の先制点とバスケットカウントがチーム一丸の爆発力につながった。

 スモールラインナップの守備だが、激しい重圧で相手外国人選手のタフショットを誘った。

 リバウンドはキングス48で横浜35、ターンオーバーはキングス5に横浜14と、スコア上も選手の強い精神が現れた。岸本隆一は「個々が100パーセントの力を出した結果」と逆境を糧にする強い気持ちを示した。
 (嘉陽拓也)