笑顔40年 地元に慕われ サロン「きよらか」崎浜さん(70) きょう閉店


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40年の歴史に幕を下ろす「きよらか」の崎浜清子さん=12月30日、名護市港

 【名護】沖縄県名護市港のサロン「きよらか」が5日までの営業で閉店する。1977年に営業を始め、約40年間、地元の人たちから親しまれてきた人気店だ。崎浜清子さん(70)を慕って、常連や地元の青年らが集まり12月30日、お別れのパーティーを開いた。

 店のある通りは名護市の中心繁華街・みどり街の近くにある。開店前は、自分の店を持つことに少し不安もあったという崎浜さん。「長く続けられるかは心配だった。子どもを育てるのも必死だったから」と振り返る。それでも、崎浜さんは「名護の人たちがみんな優しくって、愛嬌(あいきょう)があって、お客さんとしゃべると私も自然に笑顔になった」と話す。

 両親は南城市出身で、22歳まで兵庫県尼崎市で育った。兵庫県では県人会をはじめとした県出身者とのつながりはあったが、名護に来てからも時折、関西弁が出ることもあった。沖縄での話し方は親と話すときの南部なまり。開店当初は、名護の言葉が分からず、客に怒られたこともあったという。「今となればいい思い出だね」とにっこり笑う。

 崎浜さんは、自分の子どもたちだけでなく、近所の子どもたちも店に連れてきてご飯を食べさせるなど、面倒見の良さから、多くの人に慕われてきた。パーティーに駆け付けた青年たちも「僕らは(崎浜さんに)育ててもらったよー」と口をそろえる。常連で30年以上通った古宇利島の兼次茂則さん(79)は「マーマーが良くって、安心できた。閉店はさみしいね。名護に出てくるのがおっくうになるさ」と残念がる。

 店に来る客とは「家族みたいな付き合いをしてきた」という崎浜さん。40年続いた店を閉めるのは寂しさもあるが、今後は「少しゆっくり休んで、また笑って楽しく過ごしたい」と終始、笑顔で振る舞っていた。