県民投票不実施に「不服」 市民、沖縄市へ審査請求


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 【沖縄】新基地建設に向けた名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、沖縄市の桑江朝千夫市長が投票事務を実施しないと表明したことについて、市民に県民投票をさせないことは憲法が定める平等権を侵害し、不当だとして、市内の男性(62)が8日、行政不服審査法に基づく審査を沖縄市に申し立てた。男性は投票事務を実施するよう求めている。

 行政不服審査は、行政機関の決定に不服がある場合の救済制度。ただ、裁決までには半年から1年がかかり、男性は「投票までに結論が出ることは難しく、これで投票ができるようになるとは思っていない。ただ、市民として不満があることをこういう形ででも表明したかった」と話した。

 請求書で男性は、県民投票の実施は地方自治法の要件を満たして直接請求されており、投票をさせないことは平等権の侵害に当たると主張した。行政機関の義務とされているにもかかわらず、これを行わないことは投票権を奪う行政の不作為だと訴え、これを改め、投票の実施を求めている。

市長リコールと訴訟視野に行動/連絡会沖縄市支部

 【沖縄】桑江朝千夫沖縄市長が県民投票の不参加を表明したことを受け、新基地反対県民投票連絡会沖縄市支部は8日、沖縄市の中頭教育会館で、対応を協議する集会を開いた。市民の投票権が奪われた場合、桑江市長の解職を求める署名活動や、市長相手に損害賠償請求の集団訴訟を起こすなど、県民投票の実施に向けた行動をすることを提起した。

 集会には115人が参加した。市民からは「県民投票に反対した市議も訴訟の対象にできないか」と提案する声もあった。

 15日には沖縄市の農民研修センターで県民投票の実施を要求する集会を開く。